「脳の中の人生」

連休まで直線コースに入った今週。連休が待ち遠しく、また残された仕事時間が短いのがおそろしくもあり。

連休のお出かけイベントは、ふたつだけ決めました。あとは毎日お掃除して、ひさしぶりに意欲的にご飯作って、ピカーッと早起きして、気持ちよく過ごしたいなあ。最近ほんとうに家のことをしていません。

茂木健一郎さんの新書『脳の中の人生』を読みました。うれしくなる一文をいくつか見つけたのですが、ひとつは、テレビなどで解説役を頼まれるとき「科学ではここまでわかっている」とすでにわかっていることを話して欲しいと言われるが、科学のおもしろさはまだわからないことを考えるところにある、というくだりでした。

科学的な人ほど、わからないこと、不思議なことで世界は満ちていると感じる。そしてこれまでの法則が及ばないものに対して、それは逸脱あるいは狂いではなく、さらに複雑で高度なつくりゆえにそれまでの法則が及ばないのだと考える。

こういうスタンスがもっと産科学に入っていれば、無理矢理産ませるお産を科学的なお産だなどと考える悲しい時代がなくてすんだのに、と思いました。

ただ、医学は科学ではない、と臨床の達人たちはよく言います。「あっ、ここからはわからないぞ。不思議だなあ。探求したいなあ」と言っていたら、そんなことをしてるいうるうちに患者は死んでしまうのではないかという、そういう恐怖があるのでしょうか。

最近なんとなく新書をぽろぽろと買ってしまいます。難しい話を読みやすく面白く作るというやり方がよくできていて、これはたくさんの新書ファンを作りますね。 2006/04/24