無資格者の内診

またか、という感じで産婦人科医が摘発を受けた。昨日の常識は今日の犯罪?きのう某新聞にコメントを求められて、歯切れのよいことは言えなかった。

確かに厚生労働省が内診は看護師がおこなえば法的な問題があるとしてから4年が経つ。今回摘発を受けた病院は分娩件数も多く特に目立つ何かをもっていたのかもしれない。分娩を扱う施設は助産師が十分な数いるべきだと思う。

だが、現実に、助産師の十分いない施設があまりにも多い。つい最近も、助産師が診療所で働いていないことが問題だからもっと考えましょう、と助産師さんに呼びかける記事を『助産雑誌』に書いたばかり。

助産師が十分いない、あるいはいないところの多くは、助産師を募集しても来ないし、私の目から見ても助産師が働きたくないところだということはよくわかる。その中にはずいぶん古い体質の産院だと思うところもあるけれど、この先生は患者さんの心が分かるあたたかい人だなあ、と思う医師も含まれる。悪徳医師がやっていることではないのだ。

長い間個人開業の産科医は看護師、准看さんの補助で、たったひとりで、文句を言わない妊婦とお産をやってきた。この時代、医師に強く出る者は、行政にも、司法にもなかった。

しかし時代が変わり、それなのにお産は相変わらず豪華な食事などお産とは関係のないサービスを手厚くした個人産院に集まってしまう。助産師など充実させても「紙REBORN」を読んでいるような濃い妊婦さんしか喜ばない。

一般の産む人たちが求める者は産科医で、助産師についてはそういう資格があることを知っているかどうか疑問なくらいだ。だから、医師にも本気になって変わりゆく時代にタックルするモチベーションがなかったと思う。

これからどんな連鎖が起きてくるのだろうか。 2006/08/25