静かな年末

日記を読んで下さった方々に、よく「仕事はどうなさっているのですか」と聞かれますが、仕事は葬儀の数日後から再開しておりますのでご安心下さい。10月、11月は講演のご依頼もたくさんいただいている季節なので、ひとつずつの出会いを大切にしていきたいと思っています。

キリスト教で儀式をおこなってきたため、わが家には喪中とか「ケガレ」という概念はほとんどありません。これは、周囲にはご迷惑なのですが、遺族にはなかなかいいことです。家の中にはお線香の一本もないし戒名もなし。ただ時々いただくお手紙とかお花をお骨に供えているだけです。何日に何をしなければならないというきまりもありません。

わが家は実はお墓も簡単でして、石をおいて、生まれた日と死んだ日と本人の筆跡で名前を書いてあるだけです。そんなお墓を20年くらい前に父が死んだときに作ったので、今回もそれに準じて準備中です。父が作家の直筆原稿のコレクターでしたので、筆跡というものにこだわったお墓になっています。

きのうは年内のプランを大まかに立てました。今年はいわゆるお正月がないと思うと何だか気が楽です。年の瀬に向かうあわただしさを、今年はあまり感じません。喪中って、もしかしたら「お疲れ様」っていう意味なのかもしれませんね。

長いことかかえてしまった仕事をきれいに片づけることに心静かにとりくめそうなので、そこに精力をつぎ込みながら、冷たくなってくる空気を楽しみたいと思います。 2008/10/06