『きみにあいたい』のこと

前回の、あの反省は一体何だったのか。と政治家に詰め寄るように自分に詰め寄りたい日記の空白でした。時々来て頂いていた方には誠に申し訳ないことをいたしました。もう今年も4分の1が終わろうとしております。

今年は今まで何をしてきたかと言いますと、年明けに、まず『きみにあいたい−あかりが生きた239日、そして12時間』という講談社文庫の解説を書かせて頂きました。あかりちゃんはシスティックヒグローマという予後の大変厳しい病気を妊娠初期の超音波検査で胎児診断された赤ちゃんです。多くの方が中絶としう選択をするような大変な病気なのですが、お母さんのsamoさんはぎりぎりまで生存の可能性にかけることを決めて、papaと共にその記録をブログに綴り始めました。この本は、その文庫化です。

超音波検査の発達で、胎児の病気が妊娠のごく初期からわかることが増えました。それは決して少なくはないハイリスク妊婦さんの妊娠ライフを大きく塗り替え倫理問題ともなっています。しかしsamoさん夫婦のブログは「こうあらねばならぬ」というものがなく、親としての素直な気持ちを綴っていきます。

samoさんご夫婦には、編集者さんに頼んでお会いしに行きました。駅前でお昼ご飯一緒に食べました。samoさんは次のお子さんの予定帝王切開を間近に控えていらっしゃってとても大きいお腹をしていました。解説を入稿したとき、帝王切開が無事に終わったというニュースをもらい、本当にほっとしました。ハイリスクの妊婦さんのお産は、本当に命がけです。そういうお産もたくさんあるのだということは忘れたくありません。

ブログはとても読みやすいので、私が「読みなさい」と言ったわけではないのに、いつの間にか家族中で読んでいて、まだ生まれていない赤ちゃんに対するsamoさんの愛情について話し合ったりしています。 2010/03/14