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プレミアムフライデー

昨日はプレミアムフライデーなるものが始まりましたが、どうだったんでしょう。
私は2〜3年くらい前にふと突然に思いついて、「金曜日の会」というものをたちあげたことがあります。金曜日はできるだけ早く仕事を切り上げて、知らない町やお店に行ったり、映画に行ったりする。会員は2名限定、つまりなんてことない、3人の子の子育てと仕事しかしないで生きてきちゃった夫婦が、なんかちょっとめんどいんだけれどもちょっとは遊んでみたらどうなんだろう?という試みでした。われながら素晴らしかったのは、これを、プロジェクトとしてちゃんと命名したことです。
あの時、何故そんなことをおもったのか、よくわかりません。でも、最後の子も大学に入ったころだったし、ふと、あっ、変化を起こさなきゃダメな時が来た!と感じたのかもしれません。
このプロジェクトは私の人生に風穴を開けてくれて、写真展にも行くようになり、今思うにカメラマン復帰の前章になったと思います。
というわけで、オススメです、プレミアムフライデー。別に、どの金曜日でもいい。

2017年2月25日


授かりたい女性たちの朝学@茅ヶ崎

茅ヶ崎市の男女共同参画推進事業のひとつとして、このところ毎年駅前の男女共同参画推進センター「いこりあ」で講座を持たせていただいています。今年もいつものように、春が兆す2月の土曜日の朝、日差しがいっぱいの相模線に揺られて茅ヶ崎に行ってきました。

不妊治療をすでに始めている方もいらしたけれど、まさに今始めようとしている方も少なくなかったようでした。そこで、何人もの方が切実に困っていたのは「病院選び」です。「すみやかに受診しましょう」「専門家に相談してください」という言葉が医療記事にはあふれているけれど、患者さんにはここが大問題です。

病院にかかるということは「初診」という形をとることになり、検査が直ちに始まったり、時には気が付いたら治療も始まっていたという人もいます。「本当に、ここで治療を始めてよいか」を考える時間が、どの病院にかかる人にももてたらいいと思います。

また、不妊治療をすべきかどうかを迷っている人もたくさんいます。子どもが欲しくても、夫婦だけの生活がいやかというと、そうでもない人もいます。2人目、3人目の不妊となればなおさらのことです。

自分のたちの状況をあれこれ話して、不妊治療、するかどうか決めたい!するなら、どこの病院で、どんな治療をすれば妥当なのか決めたい!・・・と思っている方はとても多いと思います。

新型出生前診断は、検査の前に必ずカウンセリングを受けることが義務付けられています。そのカウンセリングの日は検査をしません。

助産院も、初診の前に「お話」だけの時間をもうけているのがふつうです。そのうえで、「やっぱり助産院で産みたい、それも、この助産院で」と決めた人は後日初診の予約をとります。

不妊治療も、そのようなシステムになってもよいほど「覚悟」の要る、大変なことではないでしょうか。

2017年2月11日


「篠山紀信展 写真力」

講演が重なっていた状況が一息ついて写真展へ。篠山紀信氏の巨大な写真群と2時間過ごしました。篠山さんは、いったい何人の人を最期もしくは引退まで撮り切ってきたのだろうか。

写真一枚一枚の完成度は言わずもがな。そして、見せ方も一部屋ずつに意表をつくものがありました。それも光を使って「写真的」に。

最後にこれまでの写真集をセレクトした説明ボードが並んでいたのも、篠山さんが1人の写真家として考えて来たことが垣間見えてとても面白かった。「激写」など軽くも響く造語が作られてきた影には、たくさんの思索や旅、伝統芸能への情熱が隠れているのだと知った。

写真の自由、写真の力について大いに励まされた気がして、今朝は写真展のあの空間の中にまだいるようなすごくいい気持ちで目覚めた。

2017年1月24日


シニア層の力

1月は中学校の体育館で十代と向き合って帰京した直後から、2週間、今度は大半をシニア層の方が占める生涯学習の場でお話ししました。

かわさき市民アカデミーという学習施設にうかがったのですが、ここは驚くべき魅力的な講座がずらりと並んでいて、おそらく全国でもこれほどのところはそうないのではと思われます。その充実ぶりもあるのでしょうが、話を聞いてくださる方たちの目の輝きに私は今回びっくりしました。講師とのやり取りや資料の準備なども、「世話人」と呼ばれる一部の受講生がボランティアで担当してくださるのです。好奇心を失ったときに人は老いると言われますが、好奇心がくすぐられる環境があれば本当に、心は老いないのだと思いました。それは、身体にも必ずや良い影響があると思います。

シニアの活躍は女性の活躍とよく並び称せられますが、子どもを産んだ女性が活躍するのは本当に大変なことです。そこについては、時々胸がひりひりと痛むこともあるのです。ですから、シニアの方たちの活躍には本気で、もっと期待したいです。

私の講義は「広がる生命科学の世界」という全12回シリーズの中の2コマで生殖補助医療・出生前診断を扱ったのですが、ほかの講義はそうそうたる顔ぶれの先生方がもっと身近なお話をされていました。それなのに、「妊娠」の話を乗り出すように聞いてくださった参加者の皆さんに感謝です。妊娠環境は、国民全員に作っていただくものですから。

2017年1月23日


滑川市の中学校で、再びお話ししたこと

かつての北陸本線を走る「あいの風とやま鉄道」を滑川駅で下車。ホームから、早速、うれしい看板が目に入りました。「さすが、私を二度も呼んでくださった町!」と思わず思ってしまいました。

最近、多子世帯への育児支援として「第三子の保育料を無料にする」という政策が始まってきて、中には滑川市のように2人目の無料化にも踏み切る自治体が出てきました。でも、これらは例によって所得や第一子の年齢などに制限があるのが普通ですが、滑川市が始めたこの支援は所得制限も、上の子どもの年齢制限もない、とこの駅の看板に書いてあるではありませんか。

私がここに来たのは二回目で、昨年もちょうど同じ時期に滑川に来ましたが、その時は、この政策はありませんでした。その時は早月中学校というところで全校授業をおこなったのですが、今回は、市内のもうひとつの中学校である滑川中学校に呼んでいただき、それがこんなうれしい始まりだったのです。

この町にとって今年最初の積雪となった朝、滑川中学校に行くと、中学の体育館には巨大なストーブが何台も燃える音が響いていました。私の話のタイトルは「未来のパパ・ママたちへ 今、知っておいてほしいこと」で、このような内容でした。

今回、市の方に講演の写真を撮っていただいたので数枚貼ります。これは、私の自己紹介の一部で「私は普段こんな記事を書いているんだよ、今、30代くらいの女の人はこういう心配をしている人が多いんだけれど、聞いたことある?」という話をしています。

当然、中学生の子どもたちは「キョトン」としています。そう、私でもこれくらいの時は高校より先のことは想像できませんでした・・・。でも、人は必ず、生きていれば齢を重ね、そしてやがて死を迎える。

その時までに次世代を残すという「継いでは消える」の繰り返しが命の性質なのだということを最初にお話しします。それから、本当は理科でしっかり教えておくべき生殖細胞のサイエンスや、不妊の社会問題としての側面も話します。

そして最後は、わが子を迎えるときに人は(男性も女性も)一体どんな顔をするものかを伝える写真の数々をお見せします。これは私の仕事に賛同して健診や分娩を撮影させてくださる何組ものご夫婦、そして医療者の方々のご協力があってできていることです。

授業が終わったら、子どもたちは感想文を書きます。どんなことを書いてくれるのでしょう。

今からしばらくは、私が話したことを忘れ去ってくれてもいい。当然、そうなることでしょう。でも、私もそうだったように、学校で習ったことは、人生のずっと先に、ふっと思い出されてくるものです。そんな瞬間を夢見て、私は、呼んでいただけるのであればもっともっと多くの学校に行きたいと思っています。

滑川市とのご縁はまったくの偶然です。上田昌孝市長が移動中、車のラジオから私のトークがたまたま流れたのです。市長が本気で「子ども第一主義」を掲げ、全国的に見ても先進的な育児支援政策を進めようとしていた矢先のことでした。

今年の滑川市では現実によい育児環境がハイピッチで整いつつあり、保育無償化のみならず産後ケアもスタート、そして市有林の杉をたっぷりと使った木きな児童館もできていました。

靴を脱ぎ素足で中に一歩入ると、吹き抜け空間には木の香がたちこめ、子どもたちはアスレチックを飛び回っています。ここがあれば雪に閉じ込められる富山の冬もOK!なので、子どもたちは周辺の市からも遊びに来るそうです。

午後は一般向けの会を行いふたつの講演を終えて帰るとき、吹雪く玄関で雪まみれになりながら、上田市長や教育委員会の方々は「またどこかで会えるかな」と言って見送ってくださいました。心の通い合う仕事は人生の贅沢です。

富山駅までの車中から。田んぼの上に降り積もった一面の雪。

これから滑川は、春まで雪との暮らしになるそうです。

2017年1月14日


漁港で夜のとばりが下りるまで

富山県滑川漁港にて。講演日の天気予報で大雪警報が出たので前泊し、漁港まで歩いてみました。急流が運んできた石が形成している「礫浜(れきはま)」だと去年教えていただいた浜です。iPhoneで、波が石を鳴らす音も録ってみました。

2017年1月13日


私の誕生日

ママが日ごろお世話になっている皆さま、新年あけましておめでとうございます。
今年はママがお産の記事を書くようになってから30周年だそうです。そしてママにそうさせた第一子の私が生まれてからは31年で、きのうが誕生日でした。私はこのお正月は劇忙しくてアパートで仕事していましたら、ママが元旦の夜にふらっと来てお雑煮とおせち料理とか私の好物とかをがさっと置き「じゃーね」と帰っていきました。
ママの中では、私は今もこの写真みたいな感じなんでしょうね~。
今年もママががさこそなんかやっているのを読んだり見たりしてやってください。どうぞよろしくお願いいたします。

2017年1月5日


パパ・カンガルー

今年最後の出産撮影は、順調過ぎてお誕生に間に合いませんでしたが「パパ・カンガルー」をいっぱい撮らせていただきました。カンガルー・ケアは赤ちゃんと素肌で触れ合う方法。

女性は出産後にからだの前面の温度が上がるという生理現象が知られていますが、もちろんパパもあったかいし、「父性のスイッチ」もがつんと入りそうです。赤ちゃんを身体で感じ続けてきた母親とは違うので、男性にとってこれは大変なインパクトがあるだろうと想像します。ファン助産院にて撮影。

2016年12月28日


奈良女子大の国際シンポジウム

奈良女子大学で行われたジェンダーとリプロダクティブヘルスの国際シンポジウム(主催・同大アジア・ジェンダー文化学研究センター)、刺激的でした。来日したのは助産師の継続ケアを追求している英国のアクティビスト・Biverly Beechさんと社会学者で国立台湾大学教授のChia-Ling Wuさんです。

私の役割は、現在の日本女性の出産に対する価値観を解説することでした。無痛分娩への関心の高さに象徴される今の状況を晩産化、少子化、デジタル革命と結びつけて30分話しました。育児サイト「ベビカム」と共同で11月に実施したばかりの意識調査を中心に、現代の妊婦さんは仕事や年齢によるプレッシャーが大きく、スマホの無料情報に強く頼っていることを伝えました。

お二人とも何度もうなずきながら聞いてくださいました。終わってから3人で話したのは、3カ国とも、女性がどんどんキャリア中心の生き方になってきていて、産むことは省エネで行きたいと思う傾向が強まっているということです。

しかしアジアは伝統的な家族観がまだ強くて、高齢で産む人が求めることがかなえられていません。台湾女性は日本女性のようにおとなしくしていなくて、もっと不妊治療を受けさせてほしいと要求するなどの抗議行動を起こしているそう。

お二人を招聘してシンポジウムを企画したのは、文化人類学の立場から出産を追及し続けている松岡悦子教授です。英語のみだったので「もっ話したい!」という気持ちは残りましたが、いい刺激になりました。

2016年12月12日


49歳で出産なさっている白樺八青さん

「卵子老化の真実」を読んでくださった方はもうご存知ですよね、49歳で自然に妊娠されご出産されたボイスパフォーマーの白樺八青(やお)さん。先日久々にお会いしてインタビュー&今度はカメラあるぞ、ということで半日の密着撮影もさせていただきました。
授かりたいと相談してくる方に「私は特別なこと何にもしていないし、何にも知らないのよ。でも笑っててくださいね」とお伝えし、喜ばれたり、がっかりされたりしているという八青さん。この写真はスーパーでお惣菜を購入して「忙しい日はこれですませちゃうのよ」と言っている図、です。

お子さんが小学生になり、お母さんやお父さんといられる残り時間を気にし始めたとのこと、私は自分が父・44歳の時の子なのでとてもよくわかりました。でも、だからこそ一日、一日が愛しいのが高齢出産の親子のすばらしさなのです。

はや小学生になったお子さんとの日々をつづっていらっしゃる子育てブログはこちらから。

・ いのちにありがとう 49歳6か月 高齢出産のクスッと笑える子育て日記
http://blog.livedoor.jp/yaoshirakaba/

2016年12月7日