着床前スクリーニングの臨床研究が実施されることが決まり、また自民党PTによる生殖補助医療の法案もまとまりつつあるということで、再びBSフジ「プライムニュース」に行きました。
日本生殖医学会全理事長・吉村泰典氏と、自由民主党参議院議員で「生殖補助医療に関するPT」座長・古川俊二氏と山積みの課題について話しました。日本には生殖補助医療の法律がまだないので、この法律が成立すれば画期的なことです。生殖補助医療には、学会におまかせではない国のルールが必要です。
■埼玉県立久喜図書館
詳しくはこちらから
■長崎県こども家庭課「健やかな妊娠等サポート事業」(国庫補助事業)出前講座支援者向け研修会
■『ラーラぱど』 Girl’s Salon
■『たまひよ』妊活セミナー
■ベネッセ・コーポレーション 社内研修
■利根沼田病院
■『シティリビング』
■信濃毎日新聞
■香川県看護協会 母子保健関係者スキルアップ研修会
■長野県男女共同参画センター
■子宝カウンセラーの会
■大和漢方センター田辺薬局
■メノポーズフェスティバル(神戸)
■新潟県女性財団
■see mom,be mom(杉並区育児支援グループ)
■不妊予防シンポジウム ママになろう(長崎)
■長野県駒ヶ根市
■茅ヶ崎市男女共同参画推進センター
1964年の東京オリンピック開催から50年。この時から日本は大きく変わりましたが、妊娠、出生前診断、子育ても大きく変わりました。それは今日の少子化に至る歩みの第一歩だったという随筆のような記事です。
神奈川県の助産院で産後の出血多量により女性が亡くなり、助産師が書類送検されたニュースを受けて書いた記事です。これから産む方の中に助産院と医療の関係についての基礎知識を持ってもらおうと思いました。
2013年にREBORN20周年の記念イベントを行ったあと、REBORNのやってきたことを文献に残しておこうと短期連載を開始し、スタッフで分担執筆をしました。
私は、第1回を担当し、立ち上げから「いいお産の日」のスタート、フリースタイル出産ワークショップ、産院リストなど最もアクティブに動いた時期の活動内容やねらいを書き留めました。
女性の知って選ぶ力を信じて支援すること、それが私にとってのREBORNの活動でした。それは今の個人的な活動でも変わることはありません。
こちらから読めます。
少子化対策のひとつの大きな壁は「産めよ増やせよの時代に戻るのか」という国民、特に女性たちの抵抗感です。
しかし、あの時代にとられた政策とは具体的にどんなもので、国民はそれをどう受けとめたのでしょうか。実は、その実態はまだ充分に解明されていません。出産奨励政策が出生数を増やしたかどうかさえ、意見が分かれているそうです。
出産奨励は、当時、何もないに等しかった母子保健を進めたものでもあり、親にとっては助かった面もありました。大門先生は、それを「逆給付」(国が国民に強く協力を求めるとき、優遇政策と抱き合わせにすること)というのだと教えてくれました。
大門先生のフィールドワークから戦中、戦後の女性たちのしたたかでたくましい姿も浮かび上がり、個人は、国の出産奨励を上手く利用すべきだと感じました。
ただ、それは国の未来が安定したものであればこそ、です。戦時中の出産奨励は結果的に空襲の犠牲になった子を増やしたのでは・・・と大門先生は推察していました。
連載第3回同様、『助産雑誌』編集部と私でおこなったアンケート調査の結果を紹介した記事です。グーグルの無料システムを用い、SNSや「プレジデントオンライン」などのウェブサイトで呼びかけて自由に回答してもらいました。
自由回答には「がんがん残業できなければ一人前と認められない」「再チャレンジできない現代の日本では子どもという大きなリスクを抱え込めない」「雇用による差別がない少子化対策をしてほしい」「女を男並みに働かせるにはどうしたらいいかという発想でしか考えられていない」「教育費がいちばんきつい」などさまざまな立場からの悲鳴にも似た声があふれました。
これは専門誌で助産師さんにお読みいただくだけではもったいない!ということで、編集部が編集しなおし冊子に作成してマスコミや官公庁に配布くれました。回答者からも「やっと意見が言える場所があった」「声を広く届けてほしい」という声がたくさんあがっていました。
冊子は下記ページからダウンロードできます。
-『本当に欲しい少子化対策ってなんだろう?』
こちらからも集計結果が見られます(自由回答も寄せられた回答がすべて読めます)。
少子化対策について、親たちは寄れば「国は子育てがわかっていない、育てていない人が政策を作っているのではないか」と言ってきました。それは本当なのか、本当ならどのようなずれがあるのかを、内閣府の調査と『助産雑誌』編集部の調査で探ってみました。
すると内閣府の調査からは、国民全体では、子どもを育てるにはお金がかかりすぎるという問題が他を大きく引き離して大きいことがわかりました。
また編集部の調査からは、まだ子どものいない人や希望の子ども数が少ない人は保育所や長時間労働の抑制を強く望んでいて、子どもが3人以上ほしい人は経済的な支援を重要視していました。つまり望むことは、その人の家族スタイル、仕事スタイルによって大きく変わることがわかりました。
編集部の調査では約千人の回答があり、「支援が十分なら3人以上欲しい」いう人は全体の6割にのぼりました。
元・国立社会保障・人口問題研究所所長の阿藤誠氏は人口学者で、日本が取り返しのつかないスパイラルに落ちる前の時期に国の少子化研究の中心にいた方です。当時は、これから団塊ジュニアが出産時期に入るところでチャンスはあると思われていました。
インタビューでは、貴重な証言やフランスをはじめとした各国の家族政策についての分析などがたっぷりと語られました。しかし、研究は進んでも、政治は動きませんでした。「日本はいい政策を打ち出しても、予算が十分につかない。だからいつも口先だけの介入になった」という結びの言葉が強く印象に残りました。
海外には少子化を見事に挽回した国があるのに、日本ではそうした国のやっていること(子どものいる人に有利な税制、無償の高等教育など)をやる気配もなく同じようなことばかりやっています。それは何故かという疑問が私にはずっとあったのですが、阿藤先生のお話は、それに答えてくれるものでした。
産める国・産めない国 それぞれの歴史の違い(前編)こちらから
産める国・産めない国 それぞれの歴史の違い(後編)こちらから
少子化対策について、私が母親としてずっと知りたかったこと、気になっていたことを調べていく連載「やっぱり知りたい少子化のはなし」を始めました。
連載第1回は、国の少子化対策に関わっている方の中で私が最も頑張っていただきたいと思っている松田茂樹さんのお話です。
松田さんは私が『未妊-「産む」と決められない』を書いたときお仲間との勉強会の講師に呼んでくださって、私に社会学という世界を初めて見せてくださった方です。
少子化対策について発言されるようになってからは、従来の少子化対策は正社員として働き続ける母親の支援に偏重してきたこと、多子世帯への支援がないことなど、非常に重要なことを国に指摘してくださっています。
この連載は、医学書院のウェブサイト「かんかん!」で記事が読めます。現在この第1回の記事がアップされています。
あの「たまひよ」も妊活を始めました。いつものたまひよと変わらない大変フレンドリーなムックです。未妊調査にご協力したこともあり、私は誌面のあちこちに出没してコメントしたりメッセージを書いたりしています。
発売記念のトークショーでも喋らせていただき、妊活成功後まもない、ご利益あふれる空気をまとった蝦原英里さんとご一緒しました。
英里さんは通称エビちゃんの蝦原友里さんの双子の妹ですが、妊娠すると決めたのはお母さんがNHKクロ現の「卵子老化の衝撃」録画DVDを送ってこられたのがきっかけだったとか。パッケージには「大切な娘たちへ」と書かれていたそうです。
会場が紀伊國屋書店新宿本店だったので、ショーのあとは『卵子老化の真実』のサイン会もさせていただきました。次の新書も楽しみにしていますと仕入れを担当するえらい方にお言葉いただき、なんとありがたい・・・。
発売イベントはこの1週間後の夜にも品川ランドマークスクエアの夜景が素晴らしい部屋で開催され、お仕事帰りのカップル50組が参加してくださいました。
ベネッセの次世代育成研究室でおこなわれた未産男女への調査に協力しました。質問の作成、分析などの参加し、報告書にメッセージを書いています。
偏りなく抽出された4,159名が子どもを持つことへの期待や不安、行動について回答しており、少子化政策の参考にしていただきたい資料です。
以前にも一度行われていて、経年比較で「今すぐに妊娠したい」と回答した人が増えたことが注目を集め、NHKニュース、日経新聞など多数のメディアで紹介されました。
報告書のダウンロード
こちらから
次の新書が出生前診断をテーマにしているのでいろいろと取材しています。
出生前診断で非常に重要なのは実は妊婦さん誰もが受ける超音波検査で、また遺伝学的検査も日進月歩で多種多様な疾患を診断できるようになっています。
そして発見できる病気の中には胎児手術など妊娠期からの早期治療が可能なものもあり、ダウン症の二次的障害を小さくする治療の研究も始まっています。
◆記事はこちらから
少子化対策について約千名に答えていただいたネットアンケートの結果、人によって望む支援は異なり、特に目だったのは男女の違いと現在の子ども人数の違いでした。子の記事では男女差を紹介しています。
イクメンを増やすことだけが男性に関係する少子化対策だと思ったら大間違いではないかと私は思います。「男性が望む支援は何か」に耳を傾けるべきです。
◆記事はこちらから読めます。
こちらのアンケート関連の記事は『助産雑誌』(医学書院)の連載「やっぱり知りたい少子化のはなし」でさらに詳しく掲載しています。
豪華執筆陣105名が2014年を生きるヒントを語る文藝春秋の「論点」。復活好評につき今年も発刊され、何と、私も書かせてもらいました。
私が書いたお題は「卵子教育は本当に必要か」。当事者の方を対象にした企画には書きにくいことも思う存分に書きました。
こちらから購入できます。
出産を通じて知り合った仲間たちと作り、私が代表をしてきた「産む人と医療者をつなくネットワーク REBORN」がめでたく20周年を迎え、記念イベントをおこないました。
当時、フリースタイル出産や母乳育児などの普及に尽力した人たちが総勢158名、全国から集まって熱く再開。日赤医療センターの助産師さんたちと共に活動することが多かったので日赤看護大をお借りし、とても素晴らしいひとときを過ごしました。
常に新しいところへ行こう、次へ行こうと走っていくうちに人生の時間は過ぎてしまうけれど、こうして時には後ろを振り返り、自分がすでにできたこと、消えない絆を確かめられたことはとてもよかったと思います。
『卵子老化の真実』の取材中に男性不妊の先生に取材する機会が増えてきて、知れば知るほど妊娠には精子も大切とわかってきました。考えてみれば当たり前のことですが、取材をする人間が、不妊といえば産婦人科にばかり取材していたのは間違いでした。
そしてこの記事は、いわゆる男性不妊というより、加齢が精子に及ぼす影響についてのもの。男性不妊の記事はかなり増えてきましたが、加齢に焦点を定めて書いた記事は国内にはまだなかったと思います。海外にはたくさんありましたよ(こういうことはとても多いのです)。
SNSの反響は、自分の記事ではこれまでに見たことがないほどすさまじく、数日で600回を超す「いいね!」ボタンが押されました。「子どもを持つのか、持つならいつか」について、男性もわが身の問題として考えてほしい、女性だけを孤立させないでほしいという気持ちで書きました。
こちらからご覧になれます。
新しいBSの大型対談番組「深層NEWS」。
吉村泰典(日本生殖医学会理事長、慶応大学教授)と、再びご一緒しました。
スタジオに『卵子老化の真実』を熱く読んでくださった方がたくさんいらして嬉しかったです。
体外受精、顕微受精の費用女性に新たにかけられた年齢制限、未授精卵子凍結保存、男性不妊への対応の遅れなどについて1時間お話しました。
『卵子老化の真実』の内容を中心に、「妊娠力」の基礎知識がわかるコラムを10回連載(週1回配信)でお伝えしました。
共同通信の配信で全国各地の新聞に連載され、とても大きな手応えを感じられる仕事となりました。毎回添えられている美しいイメージ写真は、クロワッサンの取材でお世話になった小松勇二さんの撮影です。
2013年12月現在の掲載紙は次のとうりです。
信濃毎日新聞
河北新報
長崎新聞
南日本新聞
京都新聞
神戸新聞
大阪日日新聞
日本海新聞
秋田さきがけ
千葉日報
埼玉新聞
福島民報
愛媛新聞
山陰新聞
山陰中央新報
徳島新聞
静岡新聞
高知新聞
日頃の取材で得た最新情報をもとに、「目から鱗!」と感じていただける真実の数々を一挙に書きました。前半は『卵子老化の真実』でもご紹介してきた生殖の真実、そして後半は妊娠、出産、そして育児行動の生理学にも話は及びます。
同号は「産みたいと思ったら知るべき4つのこと-最先端医療から企業の取り組みまで」という記事でもコメント。
日本は「少子化政策」という新語を作って出産を支援してきたはずなのに、明らかに失敗し続けており、たくさんの人が出産チャンスを失っています。
21014年1月より「やっぱり知りたい少子化のはなし」という連載コラムを『助産雑誌』と同社のウェブマガジン「かんかん!」で連載します。その準備として結婚や子どもを持つことへの気持ち、少子化対策への意見をネットアンケートの形で性別・年齢を問わず募りました。ウェブサイト、ツィッター、フェイスブックでたくさんの方が趣旨に賛同して広めてくださり、2ヶ月間で約千名の方からとても切実な声をいただきました。
たくさんの方が自由筆記に記して下さった生の声に私たちは心動かされ、結果はウェブサイト上に掲載し、関連部署やマスコミにも配布しました。少子化政策は主産年齢にある人たちには非常に関心の高い話題ですが、当事者が発言ができる場はほとんどありません。それが、たくさんの方がこのアンケートを拡散してくださり、熱い声をぶつけてくださった理由だと思いました。
集計結果は こちらから
東京都は言うに及ばず実は関東全域の「最後の砦」である日赤医療センター。杉本先生はそこで周産期救急のシステム作りに尽力され、さらに母乳育児や母子早期接触にも積極的に取り組んできたスーパードクターとして活躍、2013年春に定年を迎えられました。これまでの仕事を振り返って語っていただいたインタビュー。
高齢出産の方のケアに欠かせない不妊治療、産後疲労などについての特集号。編集部と話し合いながら構成しました。私も『卵子老化の真実』を書いていた最中に悩んだリスクの受け止め方などをテーマに執筆しました。
少子化挽回の鍵は、日本で今、一番子どもを産みたいのは年齢層=30代~40代男女がぜひ知っておいてほしいことを1年間の連載で語っていきます。
第一回では、マルコーのスタンプが廃止された1990年代から高齢出産が増次第に増加していき、そして卵子老化におびえるようになってきた現在までをざっと振り返りました。
卵子凍結は「卵子の老化」から女性を解放する夢の技術? 実は、卵子凍結保存を2年間、32名におこなってきた東京都渋谷区・はらメディカルクリニックでは「一例も出産例が出ていない」と言います。理由は結婚が決まらないためです。
2013年8月16日 毎日新聞 特集ワイド 「ついに来た 卵活」
こちらから
2013年8月 中日新聞 つなごう医療 卵子凍結保存、是か非か 将来解凍し体外受精 学会が容認指針案
こちらから
2013年9月22日 西日本新聞 「卵活」 注目の影で・・・費用高額
こちらから
2013年10月11日 朝日新聞 ニュースQ 「卵子の老化防ぎたい」凍結ビジネス85万円
こちらから
2013年11月15日配信 共同通信
「原発に1番近いNICU」と事故直後に報じられたいわき市立総合磐城共立病院。当時、本田先生はほとんどの親子が避難して子どもがいなくなったいわきで、動かせずに残った重症の赤ちゃんひとりと共に火の消えたようになった町で過ごしました。そして半年後、本田医師はうつに悩まされます。
でも、赤ちゃんこそ希望そのものです。『卵子老化の真実』では、波にさらわれたお母さんと13トリソミーを持っていたお子さんのことを伝えていただいた本田先生。365時間気が抜けない仕事ですが自分の天職だと思っているそうです。インタビュー後いわき市立総合磐城共立病院の皆さんに卵子老化のレクチャーをさせていただいたり、翌朝は浜通りを一緒に走っていただいて何もかもが忘れられない取材になりました。
『卵子老化の真実』の内容を伝え、それ以降の妊娠関連ニュースの解説もプラスするといった講演活動をおこなっています。
【2013年】
日本母性衛生学会2012年 特別講演 (博多)
REBORN 卵子老化 知ってどうする? meeting (東京都/横浜市)
ファザーリングジャパン (東京都)
イメージアップアカデミー (兵庫県)
誕生学協会 (東京都)
卵子老化を考える会 (東京都)
千葉大学 母性看護学分野同窓会 (千葉県)
いわき市立総合磐城共立病院 (福島県)
基礎体温計測推進研究会 (東京都)
東京都日野市保健センター (東京都)
日本周産期メンタルヘルス研究学会学術集会(東京)
babycom ワークエッグバランスプロジェクトセミナー(東京)
埼玉県越谷市男女共同参画支援センター(埼玉)
長野県上田市お産フェア(長野)
『卵子老化の真実』を「出産について自身の自己決定に信頼が持てるようになる、多角的取材を重ねた一冊」としてご紹介いただき、見開き2ページの著者インタビューをしていただきました。
『卵子老化の真実』の併読書として私がおすすめする本もご紹介しています。この時選んだのは次の6冊でした。
『産みたいのに産めない』 NHK取材班 (文藝春秋)
『産科が危ない』 吉村泰典 (角川oneテーマ21)
『こうのとりを追って』 毎日新聞取材班 (毎日新聞社)
『妊活バイブル』 齊藤英和・白河桃子 (講談社+α新書)
『「不妊」じゃなくて、TGP』 東尾理子 (主婦の友社)
『科学の方法』 中谷宇吉郎 (岩波新書)
不妊治療の公的助成制度に「42歳まで」という年齢制限が登場。その意味とは? 日本の不妊治療に訪れた大きな転機を読み解きます。
妊娠力を保つ方法を知りたいという読者のために、限界はお知らせつつ禁煙の必要性、ダイエットの注意などをアドバイス。同誌アンケートによると「妊娠・出産について不安なことは?」の第1位は「不妊症ではないか」だそうです。
『文藝春秋』にエッセイを書きました。「オヤジとおふくろ」という、自分の父あるいは母について各界の人々が綴るコーナーです。
ふだん誰かに取材したことを書いてる人間は、物書きなのに自分のことを書く機会がとても少ない。これは、その、とても貴重なありがたい機会でした。
私の母は結核の研究者で5年前に他界しました。私は、高齢出産で生まれてきた、彼女の一人娘です。
タイトルの「女の分際で」は仕事一直線で生きていた母が定年退職の時につぶやいた言葉の一部です。平塚らいてふの『青鞜』の愛読者だった祖母に育てられ、非常にプライドの高かった母が、最後に、このような言葉を語って感謝を表したことに私は時代の重みを感じました。
男性週刊誌である「週刊ポスト」が『卵子老化の真実』の内容を4頁に展開してくれました。しかも表紙を見たら「右トップ」扱いだったのでびっくり。『卵子老化の真実』には大量の事実が書かれているわけですが、その中から、男性に特に興味がありそうな次のことが抜いてきてありました。「ああ、こうして知識は普及していくんだなあ」と思うと本当にうれしかったです。
・実は排卵日より2日前の方が妊娠しやすい
・40代で出産した人は長生きする。
・高齢出産の子は頭がよくて怪我が少ない
・実は大正時代の高齢出産は現代の21倍
脱力気味だった国の少子化対策が活気を帯びたと思ったら、少子化危機突破タスクフォースによる女性手帳の提言、育休3年取得などをめぐって国民から猛烈な反発が起きるという事態となりました。不妊治療助成金の年齢制限など国の少子化対策についての違和感をとりあげた堂々7ぺージ企画。いくつかコメントしました。
「育休三年」については、私は自分は第二子、第三子を3歳近くまで保育園に入れませんでした。そのかわり、乳児期は授乳服やスリングを米国から輸入してよく子連れ取材に行って、大変ではありましたが仕事はしていました。3番目ではかなり育児に慣れていたということもあります。かなり弱ってはいましたが母も同居していたし、第一子にも助けられました。つまりは大家族で、取材先も出産関係で子どもを排除しない場だったので可能だったのだと思っています。
女性手帳については、少子化危機突破タスクフォースがマスコミにクローズドであったことがすべての誤りの始まりだったと考えています(完全なクローズドではなく最終回は全部公開されましたが、手帳について話された部分は公開されておらず、国民に公開されたレポートでは大事な部分が要約されすぎていました)。
「何歳まで産めるの?」「精子の老化は?」「出生前診断ではどこまでわかるの?」「卵子提供は国内では違法なの?」こんな、これから出産したい人にとって最も関心が高い四つの疑問に答えました。
大特集「妊活 最新トピックス」の記事の導入部になった見開き記事。「フラウ」は妊活記事をとても良くがんばってきた女性誌のひとつです。
女性誌の妊活特集は、きっちりと生殖限界年齢について書いた上で食生活の改善などの頁を展開しているものがほとんどだと思います。妊婦さんに取材していくと、こうした女性誌の妊活記事を見て妊娠時期を早めたという人にはしょっちゅう出会います。
フジテレビ「とくダネ!」で不妊治療の助成金年齢制限についてとりあげられ、キャスターさんが私のコメントを紹介してくれました。電話でだいぶお話してまとめていただいたもの。間接コメントは初めてのことでしたがストレートにそのまま伝えていただけてうれしかったです。
VTRでは野田聖子衆議院議員が「自分もやめ時がわからなくなってとても苦しんだので年齢制限が必要」と発言、その一方で目下治療の真っ最中の方は「自分でほんとにこれでやめられると思えてから晴れ晴れとやめたい。補助金がなくなってもやめない」と答えていて考えさせられました。
BSフジ「プライムニュース」という骨太な番組が高齢出産の問題に取り組み、私もスタジオにゲストとして呼んでいただきました。
「39歳まで」という年齢制限の新設を含む不妊治療の公的補助に関する検討会が始まる前夜の生放送でした。
体外受精、顕微受精等の生殖補助医療、出生前診断、人工妊娠中絶、出産年齢の高齢化などについてたっぷり2時間話しました。はじめは「2時間もある」とびっくりしたのですが、始まってみるとあっという間に終了。密度が濃く、踏み込めている部分もしっかりあって大変よかったです。
永岡桂子氏(自由民主党厚生労働力部会長代理)、そして内閣参与として、少子化政策に関わっておられ不妊治療補助制度検討会の議長でもある吉村泰典教授(日本産科婦人科学会前理事長)とご一緒しました。
番組サイトに、内容(ハイライト部分)がまとめられています。
こちらから
3月19日に『卵子老化の真実』(文春新書)が無事に出ましたので、オールアバウトの更新を再開し、まずは関連の記事をオールアバウトに入れて行くことになりました。
まずは、『卵子老化の真実』でとてもやりたかったことのひとつである卵子老化に関する知識の迷走、過剰反応、誤解等々の解消をしようとこの記事を書きました。
Twitter、facebookなどを通じ、広く読んでいただいています。
<3つの誤解>
「女性は卵子が老化し始めたら、もう産めない」という誤解
「卵子は35歳を過ぎると急激に老化し始める」という誤解
「精子は老化しない」という誤解
消費者相談の専門家に広く読まれているというウェブマガジン『国民生活』。少子高齢社会に関わる生活上の問題を各分野の専門家が解説する連載で一コマを執筆いたしました。
ふだんの仕事では不妊治療に触れることはほとんどない方たちに、現在の30代、40代のご夫婦は「妊娠しにくい」という悩みを抱えやすく、年齢が高くなるほど費用の面でも大変な思いをしていることを伝えました。
都市部のオフィスや駅などに配布されている女性向けフリーペーパー「ラーラぱど」。掲載された東京、福岡の総計では何と45万部という発行部数になるそうです。
対象読者年齢は30歳前後ということでしたが、企画は”将来に備えて”妊娠を意識し始めようというものでした。卵子的には、ちょっとのんびりな気はします。でも東京都では初産の平均年齢はもう31.8歳。30歳では未婚の方が多いですから、こうなってしまうのはいたしかたないこと・・・。
それで、はじめに、20代後半から30代前半という時期がいかに身体と仕事のバランスが良く、おすすめの出産時期であるかをお話しさせていだたきました。その上で、今はまだ条件が整わない方のために基本的な身体ケアについてお話ししました。
出産は将来の話だと思っていたどなたかが「えっ、今の話なの?」と感じてくれるきっかけになったらうれしいです。
ダウン症など、胎児のおもな染色体異常の有無が、母体の血液検査だけでかなり正確にわかる新型出生前診断。「ベビカム」さんのご協力を得て「もしまた妊娠したら受けたいと思いますか」と150名の育児中・妊娠中の方に聞いたアンケートの報告記事です。
結果は、年齢にかかわらず4割程度の人が「受ける」「受けるかもしれない」と回答。新検査の登場により、出生前に染色体異常を知ろうとする人は今より少し増える可能性が示唆されました。
ただ、年齢差があまりなかったということは、発生リスクと検査の希望は別のものだということです。40代では「受ける」という人が若い人より多かったものの「受けない」という人も若い人よりたくさんいました(ちなみに40代妊娠では、染色体異常の発生は35歳未満の10倍ほどになります)。
染色体異常の発生が増加することを知りつつ、真剣に悩みながら妊娠を選び取ることも多い高齢出産。その人たちが、検査を受けなくても誰にも非難されないようにしなければなりません。
* この記事を書いたあとで日本産科婦人科学会が新型出生前診断についてのガイドラインを発表し、若い人は検査の対象からはずれました。学会のこれまでの歴史的推移等を考えると妥当な結論かと思います。ただ、このことにより、若い人が希望しても検査を受けられなくなったこと、また高齢出産の人が受けるべき人と解釈される懸念が生じたことは今後の課題と考えます。
母体の血液検査だけでかなり正確にわかる新型出生前診断(NIPT)について取材しました。羊水検査、母体血清マーカーなど既存の検査のおさらいも合わせ、解説。妊娠中に検査を受けた人、受けなかった人のインタビューなども。
出産、育児サイト「ベビカム」の協力を得ておこなったアンケート調査では、染色体異常の発生率が低い若い人も検査を希望していることがわかりました。ただ若い人は、高齢出産の人と違い、これまでに子どもの染色体異常について考える機会が少なかったはずです。検査で陽性と判定されたらどんなに大変なことになるのか、あまり考えないで希望している可能性は高いといえます。検査や疾患について広く知識が普及することが大事とお話しました。
体外受精でも妊娠できない不妊は難治性の不妊などと呼ばれます。精子を作る機能がもともと弱い男性、そして年齢の高い女性ではそうなりやすく、不妊治療が長引く大きな理由になっています。
不妊のムックで書いたこの記事は、妊娠出来るかどうかを最終的に決定している精子と卵子自身の力についてのもの。
無精子症の手術「フレッシュ・マイクロ・テセ」で知られる石川智基医師が、精子の妊娠させる力について詳細に語ってくれました。また辰巳賢一医師には女性の年齢に合った治療戦略について解説してもらいました。
方針もさまざまな不妊治療のクリニックは、初めての人には選び方が難しいもの。これは全国の不妊治療専門医に、自施設の特色を語っていただきつつ不妊治療の「いい病院」選びのポイントをお聞きした企画です。
私は神戸市・英クリニック院長の塩谷雅英先生、大阪市・越田クリニック院長の越田光伸先生のところにうかがいました。
不妊治療が気になっている人は多いけれど、いつ、どんな行動を起こしたらいいのかわからないまま時が過ぎている女性のためのページ。
「妊娠しにくい三大原因」という大きな囲みが最初にあり、通常はここには卵管因子,男性因子・・・などの医学用語が並ぶのですが、私は「病気でないのになぜ?」というキャッチコピーをつけてもらって「年齢」「セックスの回数」「体質」としてもらいました。
もちろん不妊検査で卵管閉塞などの医学的理由が見つかることもたくさんありますが、今の不妊治療の現場の実感では、こんな理由があまりにも多いのです。
梅ヶ丘産婦人科院長・辰巳賢一先生にご協力いただき、不妊治療で最初におこなう検査、「年齢、パートナーの気持ち、没頭に注意」など治療を始める前に心しておきたいことも紹介しました。
助産雑誌 医学書院 2012年09月号 (通常号) ( Vol.66 No.9)
私が出産の仕事を始めてまもない時期に、いろいろな方をご紹介いただき、育てていただいたのが医学書院の『助産雑誌』。その巻頭カラーページで出産にまつわるさまざまな仕事をしている人物を紹介する連載があって、この月は私を紹介してくださいました。
インタビューを受けて、自然出産についての取材が中心だった20代のこと、30代半ばで流産を経験して自分の中で起きた変化、時代の変化などについて話しました。自分の仕事の流れを振り返る機会になりました。
対象読者は助産師さんなので、自然出産か難しい人が増えた今、もっとハイリスク妊娠の方へのケアをお願いしたいというメッセージも書いてもらいました。
日本初の男性不妊専門クリニック「恵比寿つじクリニック」院長・辻祐治先生にうかがい、男女を問わず知っておきたい男性の生殖機能について教えていただきました。
男性不妊専門医の方の意見は、本当に大切です。お聞きしていると、目から鱗が落ちまくります。中でも一番知られなければならないのは、男性側の治療によって体外受精の妊娠率が上がったり、もしくは自然妊娠が可能になるケースは決して少なくないということです。不妊治療には、まだまだ宿題がありますね。
比較的パパ読者も多い『AERA with Baby』なので、ご夫婦で読んでいただけたご家庭もあったのでしょうか。
聖路加産科クリニック副所長・堀内成子先生、国立成育医療センター三井真理先生との対談。
「自然分娩派」「無痛派」などさまざまな産み方の選択肢について話しました。ハイリスク出産の集まる成育医療センター、正常出産を助産師さんたちの手でケアしている聖路加国際クリニックなど違う位置づけの場で働くおふたりですが、私も含めて3人とも「正常出産は自然に、異常が発生した場合はすみやかに医療を使う」という大原則はまったく同じ。かなり似た感覚の3人だったのではないかと思います。
再び3月11日を迎えようとしている福島、仙台、気仙沼から子育てに関したことをレポートした記事です。
福島では、以前からお世話になっていた産婦人科の先生をたずねて、疎開した人、しなかった人の間に生じている難しい問題についてお聞きしました。
気仙沼には被災した母親たちに働く場を作ろうとジャム工場を作ったバーテンダー佐藤賢さんがいました。また、気仙沼から移住をしたあるパパは、ガソリンが給油できたその時に「ここを出よう」と思い沖縄に移っていました。
仙台・とも子助産院院長の伊藤朋子さんは、仙台のママたちは、沿岸の方たちのことを思うと「つらい」などと言えなくて、自分の感情を押し殺していると語ってくれました。
取材後、海辺に行ってみることにしました。
静かな町でした。仮設住宅に住んでいるというタクシーの運転手さんが、マスコミが落としていくお金も、もう入らないと言っていました。海辺の焼けた小学校などを案内していただきました。
産業が失われ、そもそも被災前から高齢化が著しく進んでいた沿岸の町にはパチンコの灯りだけが煌々と光って義援金を吸い上げていました。しかしそれを誰がどのように非難できるでしょう。
マスコミには映らないたくさんの真実に触れた取材で、人の心のどうにもならない部分、誰のせいにもできないこと、自然の猛威を受けとめる方たちの姿に感動しました。
「災害後の心の余震」と題して、みやぎ心のケアセンター児童精神科医・福地成先生に長期戦における災害後の心理について教えていただきました。「これからが本番」という一言が印象的でした。いつも聞いている言葉のはずなのに福地先生の口から聞くこの一言には本当に実感がこもっていました。
「そろそろ子ども」年齢の女性たちによく読まれている橋下紡さんが、ご自身で「お産難民」体験をきっかけに書いた長編小説。文庫化に当たり、解説を書かせていただきました。
主人公自身が産みたくなってくる年齢の女性記者で、出産の特集に取り組む中でさまざまな状況の産んだ人、産めない人たちに巡り会います。福島県で起きた産科医逮捕事件もひとつのテーマになっていて、この作家さんの他の作品とはまったく違う取り組みという印象です。「父親になる」ということがもたらした挑戦なのだろうと理解しました。
私は、私から見た危機の推移や産科医数の現在の充足状況を中心に解説を書きました。現在では潮が引くように産科医療の報道はなくなりましたが、出産現場を支える努力は続いています。
『未妊』などの取材で聞いてきたお話が小説になっているので、また、そこに男性の感覚が加味された時の変化もおもしろくてとても興味深い仕事になりました。
気もちが軽くなる本と著者の特集で、私は『未妊-「産む」と決められない』著者として出ました。
出産についてラクにする人は他に40歳で最近出産され『40歳!妊娠日記』を出した大田垣晴子さん、『不妊治療、やめました』の堀田あきおさん&かよさんなどが登場。
特に編集者さんが喜んでくれた私の言葉は「子どもが巣立った今は子どもは人生の一部でしかないと気づいた」というもの。あまりにも喜んでくださったので私の方が「へえ~」と思いました。今の私にはごく自然な実感なのですが、これから「子どものいる人生か、いない人生か」を考える人には確かに発想できないことかもしれません。
最近「さあ、産もう、がんばろう」という感じの企画が多いけれど、かえって追い立てられるような不安を感じる方も多いかもしれません。こういう企画もリラックスできていいです。
女性医療ジャーナリストの増田美加さんが構成なさっていて、さすが。これを読めば妊娠と年齢の関係については丸わかり!です。私は、忙しい女性たちがリラックスし、本来の妊娠しやすさを取り戻すためのアイディアなどをコメントしました。
毎月スタジオにうかがって、お産のいろいろなトピックについてお話しています。超大ベテランの村上信夫さん、育児中は歌のお姉さんとして毎朝歌声をお聞きしていた神崎ゆう子さんお二人の絶妙なリードにより、リラックスしてお話させていただいています。
子育て中のリスナーさんも多く、ご自分のお産の思い出を送ってくださることもあります。ささやかな枠なのでご紹介できる時間がないのが残念ですが、スタジオではとてもうれしく拝見しています。
テーマは次の通り。
4月 停電中、電力不足下での出産
5月 出産場所
6月 助産院
7月 夏の養生
8月は子ども電話相談のためお休み
9月 体重管理
10月 高齢出産
11月 無痛分娩
12月 陣痛の痛みを和らげるには
1月 母乳について
2月 絆ホルモン「オキシトシン」
3月(最終回) もうひとり産む?
巻頭記事の「いま、産みたい女性が増えている」で、武蔵大学の栗田宣義先生と共に女性たちの変化をコメント。「病院&出産のこと」のQ&Aでも竹内正人先生と共に回答者をしました。
神田うのさんのマタニティヌード「美しき臨月」が店頭で注目を集めていましたが、自信に満ちたうのさんの強さ、たくましさは私にも印象的でした。
今まで女性誌の出産特集というとお姉さん誌が多くて高齢出産の不安が大きなテーマになってきたけれど、ここに来てポップなものが出て来ました。「震災婚」が目立つ影響で、いつにもましてこうした企画が出ているようです。来る2012は、本当に「震災出産」の年になるのでしょうか?もし実際にそうなって、たくさんの命が失われた次の年に今度は新しい命がたくさんやってきたら・・・女性の身体って本当にすごいと思いませんか。
毎年書いてきた「CREA」の母特集ですが、祝!ついに、おまとめムックになりました。私が執筆した記事では下記が収録されました。
本当に「いつでも産める」の?
年代別産めるカラダづくり
理想のお産を叶えるために
CREA世代だからこそ、自分らしいお産を見つけたい
“助産院”“無痛分娩”という産み方
2011年春は50代の出産を扱った連続TVドラマが重なり、大きな話題に。
そのうちの1本「生まれる」の脚本を書いている最中の鈴木おさむさんの番組にゲスト出演しました。これは毎週違うお題をもうけ、リスナーとスタジオの鈴木さん、出水麻衣さん、それからスタジオ及び電話出演のゲストがみんなでそれについて考えるという番組です。
どんな声が来るのか私も興味津々でしたが、肯定的な声が多かったです。最後にトラさんと名乗る経験者の男性から、高齢出産の末っ子が来てくれて家族の絆が生まれ変わった、本当によかったという実感のこもった声がありました。とてもあっかい電話で、結局、愛があれば何も要らないンじゃない?という世界になりました。
電話出演でジャガー横田さん・夫の木下博勝さんも登場しましたが、ご夫妻はこれから第二子を望んでおられるとのことでした。
私は番組ではリスクを解説する役割でしたが、それも引き受けるという方には、高齢出産はぜひ応援したいという気持ちです。
国の調査によると、「高齢だから」はもうひとり産まない理由の首位を占め続けています。これは、本当はとてももったいないことなんです。
『助産雑誌』に、2号続けてお産の痛みについて特集を組んでいただき、全体構成にも関わらせて頂きました。この号は、最近人気の高まりを見せる硬膜外麻酔について。
私は、この頃に京都・足立病院が「パネルディスカッション 陣痛のすごし方,それぞれの立場から」という講演会を開催し、そこで司会を担当したので、その講演録を載せました。
パネリストは日本における周産期麻酔の第一人者である麻酔科医の照井克生先生、自然なお産の大ベテランであるあゆみ助産院の左古かず子助産師、そして足立病院の畑山博院長でした。陣痛に麻酔を用いることについて、とても充実した議論ができました。
上記の5号に引き続き、産痛特集です。こちらでは従来から助産師さんや家族がおこなってきた疼痛緩和について掘り下げています。
私は、「4割の女性が「無痛分娩」を考えている 最近出産した女性283人の痛みに対する気持ち」という記事で、痛みがこわいと感じている女性が実に多いという現実を伝えました。これは「ベビカム」と共同でおこなったインターネット調査の報告です。
私自身は陣痛より麻酔の方がこわいというタイプでしたが、今産んでいる年齢の方全体では、かなり多くの方が麻酔に関心を持っていることがわかりました。
コメントをしただけで自分では執筆していない記事はあまりここにご紹介できていないのですが、このアンケートは大変興味深かったです。
将来出産を望む25~29歳の未婚女性300人を対象にしたアンケートなのですが、「妊娠・出産・育児の気になるキーワードベスト10」は、次の通りでした。
1位 無痛分娩
2位 不妊治療
3位 出産・育児費用
4位 産後うつ
5位 高齢出産
6位 お産難民
7位 出産・育児手当
8位 待機児童
9位 改正育児・介護休業法
10位 イクメン
私は、第6位のワード「お産難民」についてニュース解説いたしました。
私は婦人科の仕事をほとんどしてこなかったのですが、世の女性の出産年齢も自分の年齢も上昇するにしたがい、女性が長く元気でいるための仕事もしていくことにしました。といっても、頸がんのことはできれば20代の人にもちゃんと知っておいてほしいし、知っておけばまず助かる病気です。
ただ、この取材を通じてわかったのは、検診にもいろいろな形があるということです。会社や自治体まかせの検診では、日本女性全体の医療費を減らしたりがんの死亡率を低下させることには貢献できるかもしれませんが、自分に本当に必要な検査が受けられるとは限りません。
本当に「私」という個人のためになる検診を受けるには、年齢や性別、家族歴など個人にあった検診を定期的に続けていくことが大事です。少し手間暇をかけることが大切・・・それって、まるでお産ではないですか、とつくづく思いました。
野田聖子議員が妊娠された時は新聞、週刊誌などにコメントしたほか、こちらに記事を書きました。依頼をいただいたとき、このサイトの掲示板にはすでにこのニュースについてのスレッドが立っていて、盛んに書き込まれている最中でした。それを拝見し、ニュース解説のように、卵子提供とはどんな妊娠方法なのかを書いています。
卵子提供は国内では難しい倫理問題のように言われていますが、米国ではかなりたくさんの人がおこなっています。米国の体外受精は、何と1割がご自分の卵子ではありません。私の感覚では、卵子提供は養子に近い気がします。米国では養子をもらうご夫婦がとても多いので、そこが普及と関わっているように感じます。
また、精子提供は日本でももう半世紀以上おこなわれてきました。野田さんの妊娠が激しい議論になる裏には、こうした父と母の違いもあります。
生まれたての赤ちゃんを分娩台の上で素肌の胸に抱き、お母さんが自分の体温であたためる「カンガルーケア」。保育器の不足している国でおこない始めたところ親子関係まで一変し、日本でもスキンシップとして普及していました。
ところが、日本には、産科の人員不足から、それを見守るために十分な分娩室スタッフがいません。そのため、NHKニュースで流れて全国の妊婦さんに不安を感じさせたような事故が何件も起きてしまいました。
長い間ふたをされている「出産直後の放置」の問題にスポットを当てました。
2009年後半に書いた主なものは『安全なお産、安心なお産-「つながり」で築く、壊れない医療』と『AERA with Baby』、そしてオールアバウトの定期更新記事となります。
2010年春、創刊号の「自然に産むということ」を皮切りにほぼレギュラー状態で書いてきた『AERA with Baby』で、これまでの妊娠・出産記事をまとめた一冊が出版されました。
私は次の記事を書いています。今産む方が「知りたい!」「気になる!」・・・そう思っていることにしっかり応えたいと編集部共々がんばった自信の一冊です。
・自然に産むということ 感じ合い、学び合って育つ「産む力」
・「もはや選択の余地はない」って本当? 納得できる、産み場所選び(この記事だけ、『安全なお産、安心なお産-「つながり」で築く、壊れない医療』校了時期だったため、私へのインタビューという形にしてもらいました)
・何のために受ける? 結果をどう受けとめる? 出生前診断のあり方
・「無痛分娩」という産み方
・帝王切開の基礎知識
・産む前も! 産んでからも! 頼りにしたい助産師さん
・そのつらさ、もしかしてうつ? 知っておきたいママのうつ病
・”今”だからという選択 高齢でも産む勇気
・自分を責めないで 「流産」について知っておきたいこと
・小さな命が頑張っている NICU(新生児集中治療室)
新生児科の先生のあいだには、NICU(新生児集中治療室)という場所があることを、新生児科医という仕事があることを学生に伝えたいと、地元の学校に出張授業に行く動きが起きています。
病院から離れられるわずかな時間を使ってたくさんの授業を積み重ねてきた豊島勝昭医師(神奈川県立こども医療センター)に、授業へ同行させていただきました。
医師になりたいという若い高校生たちに会え、医師になること、周産期医療に人ひとり参入するのは何て大変なことだろうとわかりましたが、それでも世代を超えたこんな素晴らしい交流があれば、きっと医療は続いていくはずと思えました。
記事は こちらから
初めて文庫の解説を書かせていただきました。たった9頁ですが、1冊の本、それもお母さんが命がけで大変な妊娠をまっとうされ、赤ちゃんも命をまっとうした記録の解説をさせていただいたのですから、本当に忘れられない仕事となりました。お会いせずには書けないと思い、著者のご夫婦や主治医の先生ともお会いしました。
現代の妊娠において、とても難しい問題である「胎児診断」。『安全なお産、安心なお産』を書いていたときも、とっても気になりました。
これは少し前の希望者だけがおこなうものではなく、超音波機械の発達と共に今やすべての妊婦さんが受ける検査になっています。ほとんどの方は「心配ないね」と言われて終わりですけれど、そうではなかった場合、妊婦さんとご家族は奈落の底に落ちるような衝撃を味わいます。そして、そのあとは一体どうすればいいのでしょう・・・。
著者ご夫婦は「1万分の確率でもいい、生きて産まれることがあり得るなら」と、母体への負担も引き受け赤ちゃんの生存に一縷の望みをかける決断をしました。そして、この文庫におさまることになる夫婦のブログが始まり、全国の同じ境遇の方との交流も始まります。
きれいごとでもなんでもない、本当にあった妊娠のお話です。
2010年の未妊・不妊・高齢出産に関する仕事
2009~2010年はこの未妊・不妊・高齢出産に関する執筆、コメント、講演が多い時期でした。掲載できなかった仕事の一部をご紹介します。
【調査】
上記の準備として、ベビカムとの共同調査で出産と年齢の関係を調べる調査をいたしました。高齢出産になるおもな理由は「晩婚」と「不妊」でした。
【メデイア発言、監修】
・『女性セブン』(小学館)2010年3月18日号 「産めない」女「産まない」女
・『In Red』(宝島社)2010年4月号 ココロとカラダの妊娠準備 30代女子の「産活」事情
・『美的』(小学館)2010年5月号 人生の大きなターニングポイント 美的世代の産み育てるという選択
・『CLASSY』(光文社)2010年6月号 結婚したその先まで考えてる? 子どもがいる、いないシミュレーション
・『グラマラス』(講談社)2010年12月号 We are グラマラス・ママ Ver.8 女の人生「究極の選択」
【講演】
・日本生殖医療心理カウンセリング学会第7回学術集会 ランチョンセミナー(シェリング・プラウン共催) 「未妊-出産を先送りする女性たちの心」
不妊、未妊を支えるプロフェッショナルの方たちに、女性たちがなかなか出産する決意ができない心理をお伝えしました。)