空手と優しさ

「4月22日はレクの日でお弁当を持って昭和記念公園に行きます」と空手の会で聞いたときは「えー、空手とお弁当って合わなくない?」と思いましたが、電車には乗せてくれないと聞き、「そうか、そういうことか」と納得。

いやあ歩きました〜、3時間たっぷり。かなり遠回りをして浅川の土手道や立川周辺の遊歩道や細い道をくねくね。また、公園に入ってからも、子供達が大好きなアスレチックまでが遠いんです。

ようやく腰を下ろして、思い思いにビールタイムになる人、お弁当タイムになる人‥‥私は、前から気になっていたヨガと空手の関係について聞きました。

まずも気になっていたのは、ふたつはすごくよく似ていて、空手の準備体操が8割方ヨガのポーズになっていること、しかしピッチが何倍も早いということ。私は土曜日にヨガへ行って「ジターーーッ」と身体の隅々まで感じるようにヨガをして、翌日同じような体操をタッタカ、タッタカとするのに違和感があったのです。

これに対して会長さんは、片手にビール、ごろりと草の上に寝転がりながら、空手もルーツはインドにあることや、空手の準備体操がヨガより早いのは闘志に関係があると話してくれました。そして両方には違った意義があり、両方するということはバランスがとれることだと。

「ヨガも遠い昔は武道的な要素があったのでしょうが、ある時点で闘うことを放棄しましたよね。その点で、ふたつが両立するか少し不安があったのですが」という私に、会長さんは「両立します」と断言してくれました。「空手をやっていて強くなると、皆さん優しくなります」と言うのです。

「自信が出るからですか?本当に強ければ、荒々しいものを見せて威嚇する必要がない」「そうです。空手は男性を男性らしく、女性を女性らしくします」

お話しできてよかった、と思いました。会長さんが言う男らしさ、女らしさ、というものは、私はまだまだ‥‥語るには10年早い。でも、人間の中の自然というものを考えるとき、これはとても大切な、どんな時代にも普遍的な美学なのだろうと思います。

帰りは、モノレールに乗せてもらえました(ホッ‥‥)。 2005/04/24