2016年09月一覧

松下政経塾にうかがう

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「出生前診断を通じて、子どもをもつとはどういうことかを考える」

そんなテーマで合宿を行いたい、と松下政経塾の塾生さんからメールをいただいたのは春のことでした。松下政経塾は塾生自身が立てた計画で学び、講師も塾生が決めるのだそうです。

準備にも少しずつ協力させていただきながら、茅ヶ崎にうかがう日になりました。講義の前に、まず塾の中を見学させてもらいましたが、塾生が毎朝掃いているという構内は、どこも塵ひとつ落ちていなくて清潔そのものです。建て物も植栽も、ひとつひとつに意味が込められていて、塾を開いた故・松下幸之助氏がどれだけこの塾に熱い思いをもっていたかが偲ばれました。

一番印象的だったのは茶室です。その床の間に掛けられていた書には「素直」と書かれていてハッとさせられました。これが、人の心の在り方として一番大切なことなのかもしれません。

本館に入って正面に掲げられた書には「道」とありました。

本当にすがすがしい空間でした。

講義は、「出生前診断とは何か」といった部分は下準備をしていただいていたので、冒頭から、本質的なところをお話しさせていただきました。また、講義のあとのグループ・ディスカッションもオブザーバーをさせていただきました。出生前診断は「あって当たり前」の世代。悩ましい気持ちになること同じだけれど、高度なテクノロジーに囲まれて大きくなってきた若い世代には、その悩ましさを超える力も在るように感じました。

2016年9月26日


『不妊治療を考えたら読む本』出版記念講演会

9月10日、『不妊治療を考えたら読む本』出版記念講演会が開催され、私はこの本を書くに至ったいきさつや共著者浅田先生との出会い、執筆中の印象に残っていることなどをお話ししました。

お話をいただいてから約一年。昨年の年の瀬に浅田先生の医師向けセミナー、クリニックの培養室などの取材をさせていただいてから季節はめぐり、今はもう秋がすぐそこまで来ています。

赤ちゃんが生まれる場の取材を長くしてから不妊治療を取材し始めた私にとって、もともと成功率が低くて、うまくいかなくてもとがめられにくい不妊治療の世界は不透明に思われたものです。いまだにその感覚は消えません。この感覚は悪いものではなく、不妊治療をよくするために大切なことだから、大事にしておこうと思っています。

でも、この日は浅田先生の「ひとりでも多くの患者さんを妊娠させてあげたい」という気持ちを皆で共有。心がひとつになりました。私は今回の新刊で、共著(分担執筆ではない)という作業を通じ、とても豊かな体験をたくさんもらいました。

2016年9月14日