2016年04月一覧

営業に励む

日本産科婦人科学会の取材2日目。書店の胎児超音波のコーナーに「出生前診断」10冊ばかり置いてきました。昨日は、新人医師.・スタッフの方、学生さんの必読図書にしているという嬉しいお声もいただきました。ぜひ、お求めいただき丸善さんに販売実績を作れるとありがたいので何卒よろしくお願いいたしますm(_ _)m

2016年4月24日


湘南鎌倉バースクリニック開所

4月24日 湘南鎌倉バースクリニックの開所式
鉄骨むき出しの時に見た、あのビルはこうなったのかと隅々まで見せていただきました。

開所式のあとの内覧会には地元の妊婦さんが家族連れでたくさんいらして、説明に立っている助産師さんに熱心に質問していました。
5階建て19床。本院とはご本人の許可を得て全員の電子カルテを共有。スタッフも部分的にローテーションを組み一心同体を図っていくそうです。確か、バースセンター併設の場合、スタッフがハイリスクの方のユニットとローテートすると、専任のスタッフだけでやっていく場合よりも安全性が高まるというEBMが海外のデータであったと記憶しています。
私はこれまでに正常出産専門施設の併設という形を全国でいくつもおたずねしていますが、たいてい同じ敷地内か隣接です。ここは少しだけですが車に乗るので近くはありません。ただ距離というものは地理的なものだけではなく心の距離の問題も大きいです。
5月1日以降の予定日の方から予約を受け入れていて、始動は、もう目の前。

2016年4月24日


日本産科婦人科学会で

4月23日日本産科婦人科学会「子供から見たお産と産後の母子への関わりについて〜バースハピネスを考える〜」で、大阪府立母子保健総合医療センター新生児科・北島博之先生が、私が長良医療センターで撮影した一連の写真を使って帝王切開のfamily-centeredなあり方、きょうだいと保育器に入った赤ちゃんとのふれあいについてお話しされました。

座長の川鰭先生も、子どもたちがいかに立派な家族の一人であるかをお話しされました。
この会場は若い医師、女性医師が多かった印象があります。
改めて長良医療センターの皆さまにお礼を申し上げます。

2016年4月23日


謹んでご報告

謹んでご報告です。
日本科学技術ジャーナリズム会議から、『出生前診断-出産ジャーナリストが見つめた現状と未来』の著作について「科学ジャーナリズム賞2016」という大変な賞をいただきました。
NHKや大手新聞社の科学部で活躍中の記者さんたちが居並ぶ中で、こうして想いひとつでやってきたフリージャーナリストを選んでいただけたことは本当にうれしいです。
賞の贈呈理由については、このように記されました。
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出産ジャーナリスト 河合蘭(かわいらん) 殿
「出生前診断 出産ジャーナリストが見つめた現状と未来」(朝日新聞出版)の著作に対して
[贈呈理由]
出生前診断の歴史と現状を理解するのに役立つ大変な力作だ。妊娠中、あるいは、これから妊娠を望む夫婦にとって、よい指針となる作品だろう。出生前診断が命の選別につながるとの日本特有の社会状況に肉薄しているところも出色といえよう。
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亡くなられてしまいましたが、「驚異の小宇宙 人体」のディレクターを務めるなどNHKの科学報道の顔と言うべき存在であった小出五郎さんが、かつて、この会の会長をされていました。昔一度だけ偶然お見かけしたことがあり、とっさに『助産師と産む』を差し出し受け取っていただいたこともあったのを少し寂しく思い出します。
『出生前診断-出産ジャーナリストが見つめた現状と未来』の取材にご協力くださった方々、改めて心よりお礼を申し上げます。
そして本書をまだ読んでいない方は、ぜひぜひ、お手にとってください☆
◆日本科学技術ジャーナリズム会議ウェブサイト
科学ジャーナリスト賞について

◆Amazon.com
http://www.amazon.co.jp/%E5%87%BA%E7%94%9F%E5%…/…/4022736127


「科学ジャーナリスト賞2016」をいただきました

この度、昨年春に出した『出生前診断−出産ジャーナリストが見つめた現状と未来』が日本科学技術ジャーナリスト会議から「科学ジャーナリスト賞2016」という非常にありがたい賞をいただきました。
歴代の受賞者や審査員の方たちのそうそうたる顔ぶれを拝見すると、いまだに信じられないという思いです。NHKの科学報道番組や大手新聞社の受賞作が居並ぶ中で、フリーランサーの本が認めていただけたことに、まず驚きました。出産に関する仕事がいただいたのも、初めてではないかと思います。
この本は、私か書いた本の中で最も切なく、悔しくて、でも一番温かい思い出も残っている一冊です。お話が来た時には「そんな、難しいテーマの本は書けない」と思ったのですが、今は、あの時に挑戦して本当によかったと思っています。
はじめの取材のことは、きのうのことのように生々しく私の心に残っています。初めての取材は長崎大学でおこなわれた夏休みの子どものための遺伝教室でした。私は、これについては本のあとがきにしか書いていないのですが、山と海、出島、そして原爆の遺構や長大など、長崎は、命の科学である出生前診断の主要なテーマがすべてそこに具現化されて在る舞台装置のように私には思われました。
そして二度目の取材が、福岡県の太宰府に、日本における羊水検査の草分けである斎藤仲道先生をおたずねし、斎藤家の古い柱時計の音を何度も何度も聞きながら長い悩みの物語をお聞きしたインタビューでした。医師も、こんなに苦しんでいたのか。太宰府天満宮の梅が、まさに咲き始めた頃でした。斎藤先生は、名物の梅ヶ枝餅を買ってくださっていて、それを温めて出してくださいました。
斎藤先生を知ったのは、当時、問題になっていた着床前スクリーニングの臨床試験開始をめぐる学会主催シンポジウムの会場でした。会場から発言した斎藤先生の話に何故か強く他の医師にはない視点を感じた私は、会が終わった時、人混みの中で斎藤先生を追いかけました。その後、斎藤先生が送ってくださった資料を開けて私はあっと驚きました。私はそこで初めて、自分は米国で羊水検査の黎明期に立ち会った人に出会うことができたのだと知りました。
そして最後の取材は、実際の医療施設で出会ったあるご夫婦の涙でした。何と悲しいものを人間は作り出してしまうのか。出生前診断を安易に命の選別だと非難するのは簡単ですが、そこには人間がいないと思います。いかように理屈を言ってみても、一皮むけば矛盾に満ちた悲しい存在である人間が。私の取材は、その悲しい存在である人間が、いつしか、愚かであるからこそ愛しい存在だと思うようになって終わりました。
フリーランサーの取材というものは経費も自腹であることが多いし、語り合える同僚もいない天涯孤独なものです。でも、こうして思い出してみると、よいことは、自分の純粋な直感に従って動くことができるということでしょう。そうやって会う人、会う人に次々と惚れ込んでいくうちに本は形が見えてきます。非論理的なものは、合わさって、いつしか論理を織り始めます。
ただ、どんな形で活動していても、人の心に何かを伝えることができるジャーナリストであれば、ひとりの人間として仕事をしているのではないかとも思います。賞をいただいた時、すぐにメールを下さった方の中に前年度の大賞受賞者である毎日新聞の須田桃子さんがいました。今年の大賞受賞者の阿部豊さんを須田さんが取材していらしたので、その記事を読みました、と私が書き送ったところ、須田さんは作夏のその取材への想いについて返信してこられました。阿部豊さんはALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症され、3年間かけて執筆されたと受賞された著書『生命の星の条件を探る』にあります。
なんでもないことですが、それで私は、やはり取材者は立場は違えど、やはり情景のようなものに反応し、人への想いをたくさん使って仕事をしているのだと思いました。科学ジャーナリストとは、科学と人のジャーナリズム。
立派な方たちと共にいただいたこの賞の名に恥じないように、これからもものを書いていきたいと思います。
『出生前診断−出産ジャーナリストが見つめた現状と未来』を書くためにお力を貸してくださった方たちに改めて、心よりお礼を申し上げます。
科学ジャーナリズム賞
http://jastj.jp/ 2016/04/22


暴れる必要

先にアップした長良医療センターの写真を撮っていた時、偶然ご一緒した名古屋テレビさんのニュースが6日に放映されていました。「UP!」という番組でさすが地元の局、丹念な取材で川鰭先生の早期退職への想いがよくわかりました。

産科医不足という言葉、昔よく報道でやってたよね…という感覚になってはいないでしょうか。団塊世代の大量退職に始まる危機の本番はこれから。
これから産科のマンパワーは、地域によってはガクッと急な減少を起こします。
全国でたくさんの人が”暴れる”必要があります。
「UP!」特集バックナンバー
http://www.nagoyatv.com/up/special/entry-5954.html


九州の赤ちゃんのための募金です

私が『安全なお産、安心なお産』の取材でお世話になった新生児科の先生たちが全国的に展開している集中募金運動です。ご協力よろしくお願いいたします。
----ここからはちらしの文章です-----
「熊本を中心とした大震災で被害を受けた九州の NICU の赤ちゃんとご家族を支援する目的で下記のように募金を受け付けております。
集まった寄付金を日本新生児成育医学会『震災緊急対策委員会』に集中寄付し、より確実かつ効果的に NICU の赤ちゃんとそのご家族の支援に充てて頂くことになります。」
【郵便局からの振込】
記号 14200
番号 1114841
名義 アカチャンセイイクネットワーク
【他金融機関からの振込】
ゆうちょ銀行
店名 四二八(読み ヨンニハチ)
店番 428 預金種目:普通口座
口座 0111484
一般の方:入金額はいくらでも結構です。
医師の方:1 口 1 万円でお願いします。
協力機関:赤ちゃん成育ネットワーク、日本周産期・新生児医学会、 日本新生児成育医学会、九州新生児研究会、日本小児在宅医療支援研究会
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ちらしのpdfはこちらから

http://www.baby-net.jp/wp-cont…/…/2016/04/h28_nicu_bokin.pdf
赤ちゃん成育ネットワークのウェブサイト
http://www.baby-net.jp/


自然志向と妊娠率

今月は、浅田レディースクリニック院長・浅田義正先生との共著を書き上げるということで、かなり椅子に座っているあんまりよろしくない生活です。本は講談社ブルーバックスで、この夏に出ることになりました。
日本はART(体外受精、顕微授精など)で妊娠する人が急増していますが、海外と比較して、実は妊娠率がとても低いのです。それはなぜか。ひとことで言えば、この本はそういう本です。
理由のひとつは、晩産化はいわずもがなですが、どうやら、日本の女性には「できるだけ薬を使わないで自然な妊娠をしたい」と願う自然志向が強くあるようなのです。そして、薬を使わないようにつとめれば、妊娠率は下がります。自然○○というものは、おしなべてお味噌と同じ、「待つ」ということがポイントですから、時間がかかってもいいという覚悟が要ります。その結果、待っても妊娠せず、40代になり、タイムアウトになってしまう人も出ます。
薬を使わない場合、頼みになるものは健康法の数々です。そこで女性たちをとりまく妊娠、出産に関する情報は、「冷え」の解決法やよい食事についてのものばかり増えて、医療についての情報は減るばかりです。
浅田先生は、とても面白い言い方ですが「患者さんは癒やしを求めているが、僕は妊娠を求めている」と言います。確かに、妊娠しなくてつらい状況では癒やしがどうしても必要。でも、そんなに癒やしが必要なのはなぜかというと、それは、妊娠しないから。
今のARTは治療期間が短期化する傾向にあるので、一定期間は全力で取り組むのもいいのではないかと私は考えています。無理のない範囲で軽く治療するだけと決めるのならそれもひとつの選択肢だけれど、それなら不妊治療はしないという手もある。
「卵子の老化を誰も教えてくれなかった」と言う人は減りましたが、その先はまだまだ情報が少ないと思っています。2016/04/19



撮影した赤ちゃんと再会

ファン助産院で臨月クラス。終わったら、ご出産を撮影させていただいた方が3ヶ月になる赤ちゃんを連れて遊びにいらしていました。
出産直後を撮らせていただいた赤ちゃんって、笑うようになったらどれだけ可愛いかって、もう。あの生まれたての時って、赤ちゃんから何かが出ていてつながっちゃうんてしょうねえ…と確信。