2016年12月一覧

パパ・カンガルー

今年最後の出産撮影は、順調過ぎてお誕生に間に合いませんでしたが「パパ・カンガルー」をいっぱい撮らせていただきました。カンガルー・ケアは赤ちゃんと素肌で触れ合う方法。

女性は出産後にからだの前面の温度が上がるという生理現象が知られていますが、もちろんパパもあったかいし、「父性のスイッチ」もがつんと入りそうです。赤ちゃんを身体で感じ続けてきた母親とは違うので、男性にとってこれは大変なインパクトがあるだろうと想像します。ファン助産院にて撮影。

2016年12月28日


奈良女子大の国際シンポジウム

奈良女子大学で行われたジェンダーとリプロダクティブヘルスの国際シンポジウム(主催・同大アジア・ジェンダー文化学研究センター)、刺激的でした。来日したのは助産師の継続ケアを追求している英国のアクティビスト・Biverly Beechさんと社会学者で国立台湾大学教授のChia-Ling Wuさんです。

私の役割は、現在の日本女性の出産に対する価値観を解説することでした。無痛分娩への関心の高さに象徴される今の状況を晩産化、少子化、デジタル革命と結びつけて30分話しました。育児サイト「ベビカム」と共同で11月に実施したばかりの意識調査を中心に、現代の妊婦さんは仕事や年齢によるプレッシャーが大きく、スマホの無料情報に強く頼っていることを伝えました。

お二人とも何度もうなずきながら聞いてくださいました。終わってから3人で話したのは、3カ国とも、女性がどんどんキャリア中心の生き方になってきていて、産むことは省エネで行きたいと思う傾向が強まっているということです。

しかしアジアは伝統的な家族観がまだ強くて、高齢で産む人が求めることがかなえられていません。台湾女性は日本女性のようにおとなしくしていなくて、もっと不妊治療を受けさせてほしいと要求するなどの抗議行動を起こしているそう。

お二人を招聘してシンポジウムを企画したのは、文化人類学の立場から出産を追及し続けている松岡悦子教授です。英語のみだったので「もっ話したい!」という気持ちは残りましたが、いい刺激になりました。

2016年12月12日


49歳で出産なさっている白樺八青さん

「卵子老化の真実」を読んでくださった方はもうご存知ですよね、49歳で自然に妊娠されご出産されたボイスパフォーマーの白樺八青(やお)さん。先日久々にお会いしてインタビュー&今度はカメラあるぞ、ということで半日の密着撮影もさせていただきました。
授かりたいと相談してくる方に「私は特別なこと何にもしていないし、何にも知らないのよ。でも笑っててくださいね」とお伝えし、喜ばれたり、がっかりされたりしているという八青さん。この写真はスーパーでお惣菜を購入して「忙しい日はこれですませちゃうのよ」と言っている図、です。

お子さんが小学生になり、お母さんやお父さんといられる残り時間を気にし始めたとのこと、私は自分が父・44歳の時の子なのでとてもよくわかりました。でも、だからこそ一日、一日が愛しいのが高齢出産の親子のすばらしさなのです。

はや小学生になったお子さんとの日々をつづっていらっしゃる子育てブログはこちらから。

・ いのちにありがとう 49歳6か月 高齢出産のクスッと笑える子育て日記
http://blog.livedoor.jp/yaoshirakaba/

2016年12月7日


生まれ変わる季節

今年は東京に11月の雪が降ってくれて、冬至に向かうきれいな空気が一層澄みわたりました。年の瀬は多忙を極めるバタバタな季節とされていますが、本来、新しい太陽の生まれるこの季節は、一年の中でも一番ピュアな気持ちになれる素晴らしい季節だと思います。

今日から12月。12月始まりの来年の手帳をおろして。さらに今年は、デスクトップのコンピューターも新しくしました。信じがたいコスパで、非常にスペックの高い国産コンピューターを購入。ちょっとご無沙汰していてたWindowsに再会です。

30年前に活動していたフィルムの音楽カメラマンが初めてデジタル一眼を手にし、助産院や産科病棟にカメラつきでうかがうようになってから一年がめぐりました。デジタルカメラに戸惑いは山ほどありましたが進化したカメラにはうれしいことの方がはるかに多くて、たくさんの妊婦さん、産婦さん、赤ちゃんや医療者の方々を撮り、お産待ちの日々がかなりの日数となりました。今月になって仕事も「文と写真両方で」という形で依頼をいただくことが増えてきました。企画の全体監修と撮影、という、ちょっとこれは珍しい形だろうなあというご依頼もあります。

写真にはたくさんの可能性があります。日本の出産は、写真の力をほとんど使っていない・・・。海外の医療系サイトには、それは美しい、エモーショナルな映像が大量に使われています。日本のインターネットにもこれから出産の美しい映像と、そして正しい情報があふれますように。

2016年12月1日