私の仕事部屋にあるCDはほんの数10枚。かつて音楽カメラマンだったころの1割にも満たないほんの少しの音楽なのだけど、いつも手元から離したことはない、この人−カエタノ・ヴェローゾ。
昨晩は、そのヴェローゾの東京公演に行きました。会場の国際フォーラムは、久しぶりに感じる「ミュージシャン率高いな」という雰囲気に包まれていました。
公演は素晴らしかった。日本のサンバは、悪いけれど、サンバではない。ボサ・ノヴァはボサ・ノヴァではない。ヴェローゾのバンドはかなり知性派なのだけれど、底に流れるラテンのリズム、それは熱い吐息、愛そのものです。みんなヘンに洗練されている東京にはない、そういうもの。
英語の歌もたくさん歌うのですが、やはり、ブラジルの歌が秀逸です。ポルトガル語は何を歌っているのか全然わからないんだけど、でも、すごく感動する。
となりにすわっていたブラジルのおばさんが、感極まって「わーーーっ」と叫びだした。ブラジルの人たちは、自分の愛する人のことを思い出しながら彼の歌を聴いていたのだろうか。私も、歌詞わからないけれど、そうだった。
まことにアツアツな一夜でした。終演後は夫、長女と銀座でワインを飲み、まだ火曜日だというのに午前様しました。 2005/05/25