2006年10月一覧

2度目の断食とよみうりテレビ出演

今週は2度目の断食をしておりました。1年半ぶり。『未妊−「産む」と決められない』を出して半年のあいだとても忙しかったのですが、ここで新しい本にタックルするけじめと気合いを欲しいと思いました。

また、実はREBORN三好に「一緒にやりましょ〜」と誘われたからでもありマシタ。彼女は最近「成長著しい」ため、私を誘ったのです。2度目でも怖くないと言えばうそになるのが断食。

そんなお友達断食でもあったためか、また目的が仕事であったためか、前回のように、欲という欲に泣きたいほど無意味を感じた聖人の境地には入ることなく、一週間を普段とあまり変わらない気持ちで過ごしました。ただ、不要な不安、緊張、イライラからは解放されて‥‥これが何と言っても断食の良さですね。

そのおかげかもしれませんが、テレビ出演を一件受け、大阪まで収録に行ってきてしまいました。関東では見られないのですが、関西では人気の討論番組「たかじんのそこまで言って委員会」(よみうりテレビ)。奈良県の妊婦さんがたらいまわし事件や産科不足問題を受け、産科のいろいろな問題を討論するということでそのゲストをしてきました。

大阪へのバッグには断食グッズ=塩、水、番茶。テレビ出演の特徴である豪華お弁当には一切箸を付けず。「実は断食中で今週何も食べていないんです」と不気味な事情説明をし‥‥そして驚くほど早く、打ち合わせらしきものは一切ないまま、突然本番に突入。

この日の委員8名の提示したポイントは次のとおりでした。

三宅久之さん「産婆さんを増やせないか」
田島陽子さん「病院出産にして助産師を排除したこと」
宮崎哲弥さん「楽で金儲けに走り過ぎ!!」
橋下徹さん「ゆがんだ医療報酬制度」
桂ざこばさん「産婦人科と子どもの専門病院が離れている」
勝谷誠彦さん「産科医のおびえ」
金美齢さん「少子化 裁判が多い」
高田万由子さん「専門医の危機感」

司会がやしきたかじんさんと読売テレビ解説委員の辛坊治郎さん。どの方も、問題に対する情報量は問題ではない、直感のようなようなものがおありでした。漠然とテレビを見ていたらよくわからないのに、スタジオで見るとプロの世界をひしひしと感じるものです。

テレビというものは、文字の媒体とはまったく違います。ふだん、消すも付け足すも自由な原稿書きという仕事をしていて、必ず「校正」という段階を経て言葉を世に出している私には大変いい刺激になりました。しかも、文字媒体はある程度そのテーマに興味のある人が時にはお金まで出して読むのですが、テレビというものは「たまたま見ている」といった感じの完璧に一般の人々が対象でそこもものすごく違います。お金を出して読んでくれる人なら10分つきあってくれるところを、テレビでは10秒で言わなければならない感じ。

一言で言えば、テレビは一言一句の問題ではなく、その人のできていること、できていないことのすべてが、一切のとり繕いを許されず、映し出されるのですね。

帰りに辛坊さんにお褒めの言葉をいただいたのがうれしかった‥‥人を育てる方です。断食も終わり、さあ、新しい本、書くぞ!財布は教育費でスッカラカンだが、地方取材費くらいどこかで稼ぐぞ!(どこで〜?!) 2006/10/28


大雨の金曜日

台風による大雨の金曜日。今週をシメるにはもってこいの内省的なお天気です。産科危機は商業出版として成立する?このことをずっと考えてきました。

しかし昨日某社の出版会議でひとつ企画をはずしてしまいました。私はこの問題は産科行政の観点から考えてもらいたいので男性にも手にとってもらえる形でこの本を出したいのですが、「産科」の本であるということで女性ものだという印象がぬぐえないようです。うーむ。でも来週もまた他社でガンバリます。

先の小泉内閣は、自由競争の原理を日本のさまざまな聖域に持ち込み、医療もそのひとつでした。産科はそれに耐えられなくて、このようになってきたのだと思います。しかも医療改革の前から、分娩件数による競争の激化と消費者意識の台頭で、産科はすでに自由競争の波に洗われていました。そのプレッシャーには他ならぬこのREBORNも加担していたと思います。

産科崩壊の前夜、90年代に、私たちは少子化は出産環境をよくする追い風だと信じていました。ベビーブームの時には考えられないゆとりが産科にできて、お産でいい仕事をやっていこうとする気概のある医師だけが生き残ることが自然に感じられ、産む方も、いい産院目指して遠距離通院も厭わない意欲がありました。

そこに抜け落ちていた視点は、近所で産むことが何よりもの安心だという人たちのお産を誰がどう担うかということでした。All about「出産医療・産院選び」から、ばらばらと各地の悲鳴のようなメールが入り続けています。医師から、一般の人から‥‥。今度は、特定の人のためのお産ではなく、少子化の日本全体のお産を考えてみたいのです。

潜在助産師さんのREBORNコンテンツを、まずは作ることができました。ぜひぜひご覧下さい。

○もう一度ミッドワイフ!
http://www.web-reborn.com/jyosanshi/jyosanshi_top.html

潜在助産師さんでこのコンテンツを見た方からの、嬉しかったメールです。

「早速,行動を開始しました。不定期ですが,日中,助産院で研修をさせていただいています。ラッキーなことに初日から分娩介助を見学できたんです!本当に自然なお産で,側臥位分娩の良いお産でした。分娩第1期から産婦さんに寄り添って腰をさすったり・・・震えるかな?と思ったのですが,問題なく体が?覚えていました。帰宅後もずーっと感動を引きずってしまい,おかげで夜はなかなか眠れませんでした!」

作ってよかったです〜!!私にとって、読んで頂いた方からの手応えは何よりもうれしいものです。 2006/10/06