今週は2度目の断食をしておりました。1年半ぶり。『未妊−「産む」と決められない』を出して半年のあいだとても忙しかったのですが、ここで新しい本にタックルするけじめと気合いを欲しいと思いました。
また、実はREBORN三好に「一緒にやりましょ〜」と誘われたからでもありマシタ。彼女は最近「成長著しい」ため、私を誘ったのです。2度目でも怖くないと言えばうそになるのが断食。
そんなお友達断食でもあったためか、また目的が仕事であったためか、前回のように、欲という欲に泣きたいほど無意味を感じた聖人の境地には入ることなく、一週間を普段とあまり変わらない気持ちで過ごしました。ただ、不要な不安、緊張、イライラからは解放されて‥‥これが何と言っても断食の良さですね。
そのおかげかもしれませんが、テレビ出演を一件受け、大阪まで収録に行ってきてしまいました。関東では見られないのですが、関西では人気の討論番組「たかじんのそこまで言って委員会」(よみうりテレビ)。奈良県の妊婦さんがたらいまわし事件や産科不足問題を受け、産科のいろいろな問題を討論するということでそのゲストをしてきました。
大阪へのバッグには断食グッズ=塩、水、番茶。テレビ出演の特徴である豪華お弁当には一切箸を付けず。「実は断食中で今週何も食べていないんです」と不気味な事情説明をし‥‥そして驚くほど早く、打ち合わせらしきものは一切ないまま、突然本番に突入。
この日の委員8名の提示したポイントは次のとおりでした。
三宅久之さん「産婆さんを増やせないか」
田島陽子さん「病院出産にして助産師を排除したこと」
宮崎哲弥さん「楽で金儲けに走り過ぎ!!」
橋下徹さん「ゆがんだ医療報酬制度」
桂ざこばさん「産婦人科と子どもの専門病院が離れている」
勝谷誠彦さん「産科医のおびえ」
金美齢さん「少子化 裁判が多い」
高田万由子さん「専門医の危機感」
司会がやしきたかじんさんと読売テレビ解説委員の辛坊治郎さん。どの方も、問題に対する情報量は問題ではない、直感のようなようなものがおありでした。漠然とテレビを見ていたらよくわからないのに、スタジオで見るとプロの世界をひしひしと感じるものです。
テレビというものは、文字の媒体とはまったく違います。ふだん、消すも付け足すも自由な原稿書きという仕事をしていて、必ず「校正」という段階を経て言葉を世に出している私には大変いい刺激になりました。しかも、文字媒体はある程度そのテーマに興味のある人が時にはお金まで出して読むのですが、テレビというものは「たまたま見ている」といった感じの完璧に一般の人々が対象でそこもものすごく違います。お金を出して読んでくれる人なら10分つきあってくれるところを、テレビでは10秒で言わなければならない感じ。
一言で言えば、テレビは一言一句の問題ではなく、その人のできていること、できていないことのすべてが、一切のとり繕いを許されず、映し出されるのですね。
帰りに辛坊さんにお褒めの言葉をいただいたのがうれしかった‥‥人を育てる方です。断食も終わり、さあ、新しい本、書くぞ!財布は教育費でスッカラカンだが、地方取材費くらいどこかで稼ぐぞ!(どこで〜?!) 2006/10/28