希望学サロン

枯れ葉がクルクルと風に舞いながら後ろへ飛んでいく緑の中を走っていると「ああ、多摩に住んでいてよかったー」という思いがジワーッとしてきます。これから銀杏の大木たちが真っ黄色になり、真っ青な空に映えていくかと思うとわくわくしてきます。

空気が冷たくなってきましたが、断食のおかげでいただくものは何でも美味しいし、なんとなく健康的な気分の毎日です。

ニートについての著作で知られる経済学者・玄田有史先生の率いる「希望学サロン」に呼んで頂き、行ってまいりました。「希望学」とは東京大学社会科学研究所が2005年から開始したひとつのプロジェクトです。これまでの経済学は右肩上がりを前提としていたという気づきから、ゆるやかに下降線を描く現代という社会において、いかに希望を持つかを見つけ出す試みです。

ニートと非婚、非産には共通点があります。それは、考えてばかりいて一歩を踏み出せないことであり、「自分らしさ」という罠にはまっていることであり、そして、やはり高度経済成長時代に大人になっていくプロセスがいま変わってしまい、大人になる方法のモデルがなくなっている悩みなんだと思います。

ニートが増えたとき、多くの人が、それは景気が悪いときに社会に出たかわいそうな世代の話だと思いました。しかし、今では決してそれだけではないことがわかってきています。

子どものときから何でもある、豊かな社会に育った世代。さらに、子どものためにすべてを捧げんとする親を持った世代。希望学では、欠如感がないことが現代人に欲望も希望も遠ざけている事実も指摘しています(つまり、彼らは不況を苦しんでいるというより、高度経済成長の後遺症を苦しんでいることになります)。

このように、産まれたて学問「希望学」では多様な論理が語られています。過去に製鉄で栄えた町における希望のあり方なども調べられているようです。今後が楽しみです。<>2006/11/09

うれしいこと

 
昨晩私は何度「うれしい」と言ったことでしょう。というのは、私が初めてお産の記事を企画、執筆するチャンスをくれた方からお葉書をいただいたからです。実に20年ぶりのことでした。

私も、今、助言することがある年下の人を大切にしようと思いました。私くらいの年齢は、今、育てていただいた方と、育てている若い人の両方に囲まれているわけです。最近では、親子二代体制も作り始めていて、娘に請求書の書き方を教えました。

彼女は、この秋、ついに初仕事を他人様からいただいたのでした。何と、わが家のかかりつけ内科のホームページ作成です。平気なの?と聞いたら、大学に、すでにウェブ作成でばりばり稼いでいる同級生がいるので大枠は教えてもらった模様。

一回目の打ち合わせでは、そのドクターのお友達のクリニックのパンフレットも追加注文を頂いたそうで。それで彼女はいろいろ考え、きょうで、今までしていたしゃぶしゃぶ屋さんウェイトレスのバイトをやめます。バイト仲間には「本業がんばれ」と激励されているらしい。私ももちろん応援したいけれど‥‥ただし、そっと、そっと。自分の足で歩かせたいので。 2006/11/02