厚労省の検討会を傍聴

6月28日、厚労省で「不妊に悩む方への特定治療支援事業のあり方に関する検討会」を傍聴いたしました。
『卵子老化の真実』で大変お世話になった徳島大学医学部長・苛原稔先生にお会いできました。苛原先生は参考人としていらしていて、日本産科婦人科学会周産期委員会の登録データベースを使い2001-2010年の10年間の単胎妊娠約60万件について年齢のリスクを解析した結果をレクチャーされました。
委員の先生方からは「思ったよりも加齢のリスクは小さい」という声が多かったのですが、これは単胎に限定したためだと思います。妊娠後の最大のリスクは妊娠高血圧症候群で全年齢で7321例で発症。20-34歳を1とした場合、35-36歳では1.66倍(1.49-1.85%)、40歳以上で2.55倍(2.04-3.18%)でした。前置胎盤も増えていましたが、これは帝王切開既往の方、ARTによる妊娠の方が増えるということもあるかもしれません。
『卵子老化の真実』にもしつこく書きましたが、妊娠前の血圧など妊娠前のリスクを考慮していくと高齢出産の妊娠後のリスクはさらに今までの常識と違う顔を見せてくると思います。
また、安心、安全な妊娠、出産を目指すとされてきた基本方針の部分に「育児」を入れることになりました。子どもの側からも高齢出産を検討したいという意見が出たためです。
今後も継続的に傍聴させていただきたいです。こうして検討会が公開されているのは本当に大切なことだと思います。 2013/06/28