長野県下伊那郡へ講演に呼んでいただき、行ってまいりました。特急はまかいじの車窓は一面の綠と真っ青な空、真っ白な雲が本当に夏らしくてきれいでした。
企画してくださったのは結婚相談所「愛ねっと北部」の所長・吉田さんという方。会場までの車中から、今の地方はいかに若い人たちの労働環境が厳しく(働く場が少なく、収入が少なく、労働時間が長い)、都市部への流出が激しいというお話を聞きました。
吉田さんいわく、男性は「家を継ぐ」という考えから地元に残りやすいけれど、女性は出て行きやすい。その結果、日本では女性は都市部に集まり、郡部には男性が残る。これは、都市部では、女性が農村部の男性と同じ状況になっているということですね。それで吉田さんたちは、都会の女性がやってきてこの地域の町村に住む男性と農業体験などを楽しむイベントをおこなっているそうです。
講演は松川町、高森町、喬木村、豊丘村、大鹿村と5つの町村が後援してくださって、吉田さんたちが作成したかなり大きなポスターが町のあちこちに貼ってありました。大変手をかけていただいていて、本当に申し訳ないくらいです。
会場には、下伊那で産科医が減っていく危機感から作られたお母さんたちの会「心あるかあさんの会」の方たちも、来てくれました。伊那は当時も今も、産科医不足に悩み続けている地域です。不妊を専門に診てもらえる先生も、地域の中には見つけられないとのこと。
開催地よりさらに山の方から来て下さった妊婦さんがいたのですが、お住まいの地域では、お腹の赤ちゃんと一緒に学校に上がる子は3人だけだそうです。妊婦さんは大変希少な存在・・・。
幸い、会場にははぎもと助産院の萩元さんをはじめこの地域を支えている助産師さんたちも来て下さっていたので、この妊婦さんは助産師さんとつながることができました。「やったー!」と喜んで帰られたこの妊婦さんの姿を見て、みんな、とても幸せな気持ちに。
汽車の時間が迫り、松川町フルーツ街道のまるおか関農園さんというお店に一瞬寄っておみやげをいただく。ここでもポスター発見、吉田さんのネットワーク力はすごい。
下伊那の皆さまに改めて感謝申しあげます。
今は結局日本中が結婚しにくく、結果的に、自然豊かな地でも晩産化対策や不妊治療のニーズがどんどん増大していることがよくわかりました。
2016年8月21日