2017年01月一覧

「篠山紀信展 写真力」

講演が重なっていた状況が一息ついて写真展へ。篠山紀信氏の巨大な写真群と2時間過ごしました。篠山さんは、いったい何人の人を最期もしくは引退まで撮り切ってきたのだろうか。

写真一枚一枚の完成度は言わずもがな。そして、見せ方も一部屋ずつに意表をつくものがありました。それも光を使って「写真的」に。

最後にこれまでの写真集をセレクトした説明ボードが並んでいたのも、篠山さんが1人の写真家として考えて来たことが垣間見えてとても面白かった。「激写」など軽くも響く造語が作られてきた影には、たくさんの思索や旅、伝統芸能への情熱が隠れているのだと知った。

写真の自由、写真の力について大いに励まされた気がして、今朝は写真展のあの空間の中にまだいるようなすごくいい気持ちで目覚めた。

2017年1月24日


シニア層の力

1月は中学校の体育館で十代と向き合って帰京した直後から、2週間、今度は大半をシニア層の方が占める生涯学習の場でお話ししました。

かわさき市民アカデミーという学習施設にうかがったのですが、ここは驚くべき魅力的な講座がずらりと並んでいて、おそらく全国でもこれほどのところはそうないのではと思われます。その充実ぶりもあるのでしょうが、話を聞いてくださる方たちの目の輝きに私は今回びっくりしました。講師とのやり取りや資料の準備なども、「世話人」と呼ばれる一部の受講生がボランティアで担当してくださるのです。好奇心を失ったときに人は老いると言われますが、好奇心がくすぐられる環境があれば本当に、心は老いないのだと思いました。それは、身体にも必ずや良い影響があると思います。

シニアの活躍は女性の活躍とよく並び称せられますが、子どもを産んだ女性が活躍するのは本当に大変なことです。そこについては、時々胸がひりひりと痛むこともあるのです。ですから、シニアの方たちの活躍には本気で、もっと期待したいです。

私の講義は「広がる生命科学の世界」という全12回シリーズの中の2コマで生殖補助医療・出生前診断を扱ったのですが、ほかの講義はそうそうたる顔ぶれの先生方がもっと身近なお話をされていました。それなのに、「妊娠」の話を乗り出すように聞いてくださった参加者の皆さんに感謝です。妊娠環境は、国民全員に作っていただくものですから。

2017年1月23日


滑川市の中学校で、再びお話ししたこと

かつての北陸本線を走る「あいの風とやま鉄道」を滑川駅で下車。ホームから、早速、うれしい看板が目に入りました。「さすが、私を二度も呼んでくださった町!」と思わず思ってしまいました。

最近、多子世帯への育児支援として「第三子の保育料を無料にする」という政策が始まってきて、中には滑川市のように2人目の無料化にも踏み切る自治体が出てきました。でも、これらは例によって所得や第一子の年齢などに制限があるのが普通ですが、滑川市が始めたこの支援は所得制限も、上の子どもの年齢制限もない、とこの駅の看板に書いてあるではありませんか。

私がここに来たのは二回目で、昨年もちょうど同じ時期に滑川に来ましたが、その時は、この政策はありませんでした。その時は早月中学校というところで全校授業をおこなったのですが、今回は、市内のもうひとつの中学校である滑川中学校に呼んでいただき、それがこんなうれしい始まりだったのです。

この町にとって今年最初の積雪となった朝、滑川中学校に行くと、中学の体育館には巨大なストーブが何台も燃える音が響いていました。私の話のタイトルは「未来のパパ・ママたちへ 今、知っておいてほしいこと」で、このような内容でした。

今回、市の方に講演の写真を撮っていただいたので数枚貼ります。これは、私の自己紹介の一部で「私は普段こんな記事を書いているんだよ、今、30代くらいの女の人はこういう心配をしている人が多いんだけれど、聞いたことある?」という話をしています。

当然、中学生の子どもたちは「キョトン」としています。そう、私でもこれくらいの時は高校より先のことは想像できませんでした・・・。でも、人は必ず、生きていれば齢を重ね、そしてやがて死を迎える。

その時までに次世代を残すという「継いでは消える」の繰り返しが命の性質なのだということを最初にお話しします。それから、本当は理科でしっかり教えておくべき生殖細胞のサイエンスや、不妊の社会問題としての側面も話します。

そして最後は、わが子を迎えるときに人は(男性も女性も)一体どんな顔をするものかを伝える写真の数々をお見せします。これは私の仕事に賛同して健診や分娩を撮影させてくださる何組ものご夫婦、そして医療者の方々のご協力があってできていることです。

授業が終わったら、子どもたちは感想文を書きます。どんなことを書いてくれるのでしょう。

今からしばらくは、私が話したことを忘れ去ってくれてもいい。当然、そうなることでしょう。でも、私もそうだったように、学校で習ったことは、人生のずっと先に、ふっと思い出されてくるものです。そんな瞬間を夢見て、私は、呼んでいただけるのであればもっともっと多くの学校に行きたいと思っています。

滑川市とのご縁はまったくの偶然です。上田昌孝市長が移動中、車のラジオから私のトークがたまたま流れたのです。市長が本気で「子ども第一主義」を掲げ、全国的に見ても先進的な育児支援政策を進めようとしていた矢先のことでした。

今年の滑川市では現実によい育児環境がハイピッチで整いつつあり、保育無償化のみならず産後ケアもスタート、そして市有林の杉をたっぷりと使った木きな児童館もできていました。

靴を脱ぎ素足で中に一歩入ると、吹き抜け空間には木の香がたちこめ、子どもたちはアスレチックを飛び回っています。ここがあれば雪に閉じ込められる富山の冬もOK!なので、子どもたちは周辺の市からも遊びに来るそうです。

午後は一般向けの会を行いふたつの講演を終えて帰るとき、吹雪く玄関で雪まみれになりながら、上田市長や教育委員会の方々は「またどこかで会えるかな」と言って見送ってくださいました。心の通い合う仕事は人生の贅沢です。

富山駅までの車中から。田んぼの上に降り積もった一面の雪。

これから滑川は、春まで雪との暮らしになるそうです。

2017年1月14日


漁港で夜のとばりが下りるまで

富山県滑川漁港にて。講演日の天気予報で大雪警報が出たので前泊し、漁港まで歩いてみました。急流が運んできた石が形成している「礫浜(れきはま)」だと去年教えていただいた浜です。iPhoneで、波が石を鳴らす音も録ってみました。

2017年1月13日


私の誕生日

ママが日ごろお世話になっている皆さま、新年あけましておめでとうございます。
今年はママがお産の記事を書くようになってから30周年だそうです。そしてママにそうさせた第一子の私が生まれてからは31年で、きのうが誕生日でした。私はこのお正月は劇忙しくてアパートで仕事していましたら、ママが元旦の夜にふらっと来てお雑煮とおせち料理とか私の好物とかをがさっと置き「じゃーね」と帰っていきました。
ママの中では、私は今もこの写真みたいな感じなんでしょうね~。
今年もママががさこそなんかやっているのを読んだり見たりしてやってください。どうぞよろしくお願いいたします。

2017年1月5日