お不動様のあじさいまつりに奉納するということで「空手奉納大会」というものをしました。朝からお弁当持ちで、汗ふきふき準備とリハーサル。お弁当も「食べ過ぎは禁物」ということで、おにぎりをちょっとだけです。
午後から、型やボクシング空手の演武などあり、上級者の方たちをじっくり見せて頂くのは大変楽しかったのです。しかし私と娘にとって最大の課題は、ひとりずつ、私たちのような初心者でも挑戦することになっている「板割り」でした。
男性でも手が腫れ上がったなんて聞いていた板割り。割れるか、割れないか。どれくらい痛いのか‥‥なんて考え出すといやになってきますので、ここはあきらめてかかりました。「手は多少折れても1ヶ月くらいで治るだろうさ」。あきらめると不思議なことに、割りたくなるし、当然割れるだろうという気になってきます。
それで私は幸い怪我もなく割れたのですが。娘が割れませんでした。小学生で割れた子は何年かやっている子だけなのでしかたがないのだけど、終わった後、娘は板で顔を隠し、その中で目からはあとからあとから大粒の涙が。
悔しい気持ち、そして、勇気が出なかった自分が見えていたようです。母親としては、同じ気持ちになるのと、そんな気持ちになってくれたのがうれしいのと半分半分で、一緒に泣きそうになりました。
奉納会が終わった後、黒帯の方達が「割って帰ろうよ」と何回か再挑戦させてくれましたが、割れない。「板の手前でスピードが落ちている」と言われました。痛みの記憶が恐怖心を作っているのでしょうか。
板を持って帰ってもいいよ、ということになりました。夕食後、学生時代、武道を少ししたことがあるらしい夫も少し教えてくれて「立ち方」から「気合い」まで練習しました。しかし夫は「少し気合いを出せるようになったけど、まだ割れないと思うからやると怪我するよ。もう少し練習してからやりなさい」と言ってオフロ行ってしまいました。
その後、私とふたりになってから娘が「勇気が出たからやりたい」と言うので板をやってみたのですが、やはり、手が赤くなっただけで割れませんでした。
今頃学校で、赤くなった手を見ているのかな。さあ、この一週間で、娘の気合いは育つか?
<写真>こんな板を割ります。初心者用の薄いもので厚みはちょうど1センチ。日干しをしてよく乾燥させると割りやすくなります。 2005/06/26