連休の一日、銀座MATSUYAへ「さくらももこワールド」という展覧会を見に行きました。先日書いたように娘がちょうどこの夏はさくらももこエッセイの夏でしたので、連れて行ったわけです。
入り口には、篠山紀信氏撮影のさくらももこさんの写真が。紺絣の着物に赤い髪飾りをつけ畳に寝ころんでいる、とてもキュートな写真。これだけで、来場者はもう満足感いっぱいです。
『りぼん』投稿時代から今にいたる20年の軌跡はボリュームたっぷりでした。私が特に印象に残ったのは、彼女がデビューした時の感動をそのまま持ち続けていること(初めての掲載誌を道ばたの外灯の下で見ている絵などありました)、コジコジ原画の深いファンタジー、それからTVには決して顔を出さずプライバシーを確保している姿勢などです。今回、これだけ素顔の自分を展示してくれたということは大サービスだったのではないでしょうか。
子育てのはじめの頃は本当に大変だったみたいですね。寝かせるのに三時間かかったりしたとか。でもその前後から絵がめきめき腕を上げていて、何だか感動します。この息子さんが、自分のおかあさんがさくらももこだとずっと知らなくて、しかもファンだったというのは有名な話。
『神の力』のようなブラックな漫画を描いたり、立体作品を作ってみるなどいろいろな試みを重ねながら国民全部を巻き込んでいく作品に昇華していくさくらさんの力はすごいなと思います。
一番惹かれた絵は、仕事部屋に飾ってあるという、一匹の大きな魚の絵でした。さくらももこらしい蛍光色系の色がのびのびと、力強く使われていて、まっすぐ、まっすぐ泳いでいました。
娘—そう言えばまるこちゃんと同い年—は、『神のちからっ子新聞』をせしめ、地下鉄でもクスクス、イヒヒ、アハハ‥‥と笑い続けながら帰りました。これ、かなりおもしろいです‥‥。 2005/09/19