アイスクリーム

わが家の大晦日は、何だかへんな1日だった。母のパニックは極まり、この大晦日に「すごく具合が悪いから大学病院の救急外来に行きたい」と朝から大騒ぎ。どう見ても大変ではなかったのだけれど心理的におさまらないので連れて行くと、診断は便秘。

スッキリコンとした母と病院のレストランに行く。多摩地域に待望されて新しくできたこの大学病院は、レストランも全部ガラス張りでとても明るく陽が降り注いでいる。母は本当にうれしそうにアイスクリームを食べた。こんな子供みいたな人が子供を産んで、よく育てたな、と思う。

私たち親子は、子育てがうまくいったケースでは決してない。でも、たったひとつだけよかったのは、母はともかくやりたいことをやり、言いたいことを言ってわがままに、しかし楽しく生きてきた。「人生は、楽しいらしい」これだけは、母から教わった。今回のパニックもこれで一段落なのだけど、最後には、やっばり母が楽しそうにして終わるのだ。それで、私に、ありがとう、ありがとう、とか言うのだ。

そんなわけで、前の夜にプランを立てていた大掃除はまったくできなくなったけれど、家族みんなが穏やかになれて、年越しの日としてはまあまあだったわけ。 2005/12/31