産む人にできることって何だろう

新年早々、仕事の立てこんでいる今月です。今年は、まともに生活して地に足の着いた落ち着いた日々にしたいということが目標なのですが、早くも危うし。

この連休前後は宝島社「インレッド」の取材でセックスレスをテーマに「となりの寝室事情」など数々の著書やネットワーク活動で知られる二松まゆみさんにお会いし、そして昨日は親子のスキンシップについてやはり多くの著書を持つ山口創氏にお会いしました。

親子のスキンシップと男女のスキンシップは基本構造は同じだろうと思いつつ今ひとつ確信が持てない感覚を残していた私ですが、山口氏の著書などを読むと社会生活を営む動物の進化の歴史によって愛撫の歴史が説かれています。そこには、世の中では相対するものとされている親子のスキンシップと男女のスキンシップが、なーんだ、ほとんど同じじゃないか、と思われるなかなか楽しい世界があります。もっと言えば、チンパンジーの毛づくろいと同じということになりますが。

奥多摩の入り口にある公立病院の院内助産院の取材にも行きました。今年は医学書院の専門誌「助産雑誌」で院内助産院を毎月訪ねる連載をします。

ここは、医師ひとりになってしまったことをきっかけに院内助産院が始まったのですが、その後に医師が2名赴任。そこで院内助産院がどのように残れるかというところで、助産師さんたちがんばっています。

助産師さんたち、本当にがんばっていました。でも決め手は、産んだ人の投書があいついだことだったそうです。院内助産院のフリースタイル出産や母乳育児ケアがとてもよかった・・・ふたりめも同じようにここで産みたいから、院内助産院をなくさないで、という声が病院のご意見ポストや市に届き続けたのだそうです。

投書を見せて頂いたとき、不覚にも泣きたくなりました。なんだか特別なうれしさでした。

上田市で取材をして、なかなか署名運動が実を結ばないことを見てきました。産む人にできることなんてあるのかな、とご本人たちも、そして応援したい私にも、そんな不安は大いにあるのです。でも、黙っていたら、やっぱり、そこでおしまいなのでは。結果が出なくても、言いたいことがあれば言うべきなのでは・・・

そんなことを考えながら、夜更け、上田市の取材をした「AERA with Baby」を校了にしました。 2008/01/16