陣痛中を楽に過ごすには

今月のラジオビタミンは、陣痛の痛みをやわらげるにはどうしましょう、というお話でした。

要点を書き出して毎月担当の方に送りますが、こんなに簡単に書けたことはありません。ひょっとして、私のお題のなかで、これ十八番かもしれません。ちょっと自分を知る機会でした。

長い間フアン助産院で臨月クラスをやってきて、間もなく陣痛を迎える方たちとじっくりお話ししてきたので当たり前といえば当たり前。お産も三桁になるくらいは立ち会わせていただいたので、いつのまにか、村々にいたお節介おばさんみたいになったのかもしれません。

陣痛の痛みの和らげ方は妊婦さんの本にも助産師さんの専門書にもいろいろ載っていますが、どんな方法でも要するに効けばよい。たいていは自分のやり方ができていきます。ただ、やっていることが自分で気持ちがいいのかよくないのか、わかることが大事。それには妊娠中に冷えの予防法などでセンサーを育てていくのが、一石二鳥ですし、おすすめです。

さらに私はいつも「三つのR」ということを言っています。これは、20年くらい前、米国でお産の寄り添いをしてくれる「ドウーラ」という人たちの養成システムを確立させたペニー・シムキンさんに取材した時に教えていただいたことです。

「三つのR」とは、リズム rythm、リラックス realax 、儀式 ritualのことです。儀式とは決まったことをするという意味ですね。ただし他人が決めたことではなくて自分が「これがいい」と思ったパターンのことです。リラックスして、自分が、しばらくはこれでいこうと思った「決まったこと」を、無心に、リズミカルに繰り返すということです。

ゆったりした呼吸をリズケミカルに続けてリラックスしていくだけでもいいんですよ。その時に身体をゆらしてもいいし、2人でチークダンスみたいになっていくご夫婦もいます。

これは、人間の脳の仕組みをうまく利用した「集中」の方法で、世界中の宗教にも見られます。。シムキンさんの、この「秘伝」とっても効きますよ。

というようなことを話していたら、時間が迫ってきて村上さんが手で「巻いて、巻いて」をしたので、それには妊娠中から産院の中で好きに振る舞えるような信頼関係を作っておこうね、ということで終わりました。

NHKラジオ 第一放送「ラジオビタミン」
http://www.nhk.or.jp/vitamin/index2.html
 2011/12/2