福島県いわき市へ二日間の旅をしていました。いわき市立総合いわき共立病院新生児科の本田義信先生に『助産雑誌』の取材でした。
私は『卵子老化の真実』に本田先生が診ていらした13トリソミーのお子さんがお母さんと弟さんと津波にさらわれてしまったことを書いています。そして、本を書き終わったら,必ずいわきに行きたいと思っていました。
そして今朝は本田先生と、残されたお父様のところへおまいりにうかがってきました。お父さんは、夢のような楽しい時として、13トリソミーだったお子さんと、最愛の奥様と、その次に生まれたお子さんとの日々のことを話してくださいました。
お父さんは最初はチューブがたくさんついていたわが子をこわいと感じたのに,お母さんは、事実を告げられ対面すると,泣きながら笑っているような顔をして、すぐに赤ちゃんを抱き、絶対にこの子を守っていくとかたく決心されたそうです。そして、その決心の通りに、津波が迫って来た時、お母さんは13トリソミーのお子さんを最後の最後まで守ろうとして流されてしまいました。
塩屋崎灯台を超えて少し先、このきれいな海がたくさんの人の命をのみこんでしまいました。
本田先生とご一緒することができたこの海の、あの潮騒と、ひんやりした優しい潮風のことをいつまでも、いつまでも忘れることなく覚えていたいと思います。
そして、このお父さんの心にともり続ける幸せな時間のことを、そして、その幸せの始まりにとてもあたたかい医療があったことを、折に触れ、書いて行きたいです。
2013/05/15