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17日、日本人類遺伝学会教育推進委員会、遺伝カウンセリング学会遺伝教育委員会によるシンポジウム「遺伝医療関係者と報道関係者による合同シンポジウム 「メディアに求めること、メディアが求めること」に行きました。
日本ダウン症協会の水戸川さん、日本ダウン症協会のメディアの影響に関する説明に『出生前診断−出産ジャーナリストが見つめた現状と未来』に納めた玉井さんの言葉を「この本が一番よく書かれているから」といっぱい使ってくれてありがとう。うれしくて今までのいろいろなこと、ぐるぐると思い出しました。
それにしても日本ダウン症協会は大変でしたね。『出生前診断−出産ジャーナリストが見つめた現状と未来』に詳しく書きましたが、取材陣が猛烈に押しかけてきた時は、協会は新型出生前診断に反対していたわけではないのに「怒って見せてくください」と要求する局もあったそうです。
こうした「対立構図」を演出する報道が続いたために、同協会は高齢出産の娘さんを持つご家族などから激しい抗議を受け続け、報道合戦の間、会員に危害が及ぶ恐怖に陥っていたのです。そして協会の出生前診断に対するデリケートな想いをじっくり聞き取り、伝えたマスコミは、ありませんでした。
上のお子さんにダウン症候群があった場合、次の妊娠で検査をどうするかという問題は、簡単には理解することができないほどとても繊細な問題です。私も何人もの方の涙に触れて、やっと、不十分だとは思いますが、少しずつ理解しました。
報道のあり方は難しい問題ではあります。いつもそう思います。取材される方が出して欲しいことと、報道が出したいことが違う。でも少なくとも、報道は、報じられる者に害を与えてはいけない。完全に防げる報道など無いのだけれど、ミニマムに、という努力はとても大切なことだ。
それを改めて確かめた日でした。私も日頃自分勝手な取材をやっていることと思いますが、お気づきのことは、どうぞ私の方にストレートに言って下さい。学びますので。 2015/05/19