東京デザイナーズウィーク2011

先週は「心ここにあらず」の一週間でした。イラスト、デザインの仕事をしている長女が神宮外苑前広場で毎年おこなわれているデザインのお祭り「東京デザイナーズウィーク」に個人で出展したため。

彼女のブースは、イラストのプロモーションとして、右の写真のようなグラスやノート、マグネットなどに「絵付け」をして販売するというものでした。半年ほど前から準備をしてきたのですが直前はやはりバタバタで、親としては気が気ではありません。大学時代のお友達が手続きからブースの演出まで一緒にしてくださって親としてはありがたい限りでしたが、それでも、なんだかこの感情、「親として」というやつは、ホントにぺたぺたとまといつくものです。

で、なんだかかんだと私も働いたのでした。搬入、搬出には車を出し。会期中にも忘れ物を持ってきて〜と泣きつかれ。

でも、楽しい会場でした。若いクリエーター中心に「私の、僕のやっていることを見てくれ!」というアピールが繰り広げられる広大な会場。展示の場は貨物コンテナなどもありましたが、メインは広場に突如出現した巨大な特設テントです。

びっくりしたのは、外国人の参加者が多いこと。欧州から、そしてアジアからの若者も目立ちました。会場を回って久しぶりに英語を使いインターナショナルな気分になりました。

どちらかというと男性クリエーターが目立ったけれど、娘のように、若い女性の個人的なブースもいくつかありました。ノルウェーから来た女の子がサーモンスキンの革製品を売っていたり、原発事故に見舞われた福島からは地元のクリエーターたちを紹介する女性も。既存の組織の一部ではなく頑張っている女性を見るのは、いつもうれしいものです。

ひとつ会場に個人のブースもあれば、企業のブースもある混在ぶりがまた面白かったです。娘のブースの真ん前にはdocomoのものすごい展示があって、その裏で彼女は、路上イラストレーターさんかなという雰囲気でせっせと手描きのグラスを描き、売っているのでした。

私にもいい刺激になりました。娘もたくさんの出会いをいただけたようです。ですが、仕事って自分がやっている方がずっとラクですねえ。

娘のサイトです ↓

●平井さくらのホームページ
http://on-line.sakura.ne.jp

2011/11/09


anan「はじめての妊娠・出産」

旧暦の神無月となり、そしてハロウィン。冬がすぐそこに来ています。

そして私にとって今日は21歳で亡くした父の命日でもあります。長い間「命日症候群」のようなものがありましたが、最近はもう大丈夫です。

先週は『anan』(マガジンハウス)の「はじめての妊娠・出産」号が神田うのさんのマタニティヌードというオーラをまとって発売になりました。

私は冒頭の「2011年は空前の出産ブーム?! いま、産みたい女性が増えている。」で武蔵野大学社会学部・栗田宣義教授と共にコメントさせていただき、また竹内正人先生と「出産方法って選べるの?病院選びも知りたい。病院&出産のこと」でQ&Aの回答者をしました。

女性誌が出産の特集をするときにお手伝いすることは大変多いのですけれど、これくらい年齢層が降りてきたのは初めて。紙面が、かわいい!

震災以来、女性たちの結婚や出産に対する意識が高まったと言われています。

私から見ると、彼女たち−特に若い層−の意識は、もともと決して低くはなかったと思います。でも世の中が「そうだ、これからは家族の時代だ」となれば、彼女たちも行動しやすいというものです。

水に乗ってください。

でも、無理矢理結婚することはないよね。シングルももちんあり、の結婚&出産ブームになりますように。

来年は「失われた命が赤ちゃんになって帰ってくるのよ」といった女性がいたそうです(『震災婚』白河桃子さん著 ディスカバー携書)。

本当にそうなるといいですね。そしてもう本当にそうだとしたら、来年は日本にとって特別な年になります。 2011/10/31


子どもに家事をさせること

今日は少し本音で子育てのお話を。今朝は私も娘もものすごく暗い感じでした。昨夜、私が思いきり娘を非難したためです。私は、あなたのようにいいかげんな子どもはうちには要らない、とはっきり言ったのでした。

何が原因かというと、夕方に洗濯物を取りこませた時、物干し場の下にいくつもものを落としっぱなしにし、引き出しへのしまい方も最悪だったためでした。

私は、いかに受験で忙しかろうと、親があくせく働いて購入し、洗濯もして手入れしている衣類や日々の生活にどうしても必要なものを粗末にするような子はどうしても許せない。かといって、私の中には受験生なんだから」とこのごろ家の手伝いについて甘くなっていた私もいるのです。その反省も深い・・・。

「ひとりひとりは家族のために。家族はひとりひとりのために」それが理想だけれど、つい気がつくとわが家族はどうも「私は家族ひとりひとりのために。家族ひとりひとりは自分のために。」になってしまっている気がします。

こんな調子でもうすぐ子育ての終了ゴングも鳴ってしまうと思うと残念無念です。

今朝はお天気もどんよりですが、私は内側もどんより。なんだか、背中に何か重いものをおんぶしているみたいです。 2011/10/24


火鍋をつつきながら

中華街で中華食材を少し買って帰ったので今週は中華がメインになりそうです。

中国といえば、お産の世界(・・・の一部)では、お母さんが娘に口やかましく養生を教えることで知られています。毛糸のパンツをはきなさいとか、生理中はナツメを食べなさいとか。

夫が急に代休になったので、近くに火鍋のお店がないかと検索してランチメニューに出かけていきました。火鍋は白湯スープと、赤くて辛い「麻辣(マーラー)」スープがひとつの鍋に区分けされぐつぐつと煮たっているものです。もともとは蒙古のものなので、お肉は羊。アジア全体から集結したのであろう何十ものスパイスや漢方食材がたっぷりと入っています。

このふたつのスープはもちろん陰陽を表現しているのですが、実はこれ、食べているうちに、食べている人の中ではどっちがどっちかわからなくなっていきます。これは、生き物は陰と陽を融合するものだというありがたい教えだったのでしょうか。それとも、単に食べ方が適当だったのでしょうか。

お店の方は日本語がかなり困難で食べ方を聞いても「オイシイヨ」「ゲンキデルヨ」と言うのみ。でも、それで十分おいしかったですし、元気も出ました−。 2011/10/18


REBORNで中華街

今をさること20年近く前のある日、米国取材から帰国してぽーっとなっていた私に「お産のニュースレターを出そう」と声をかけてくれたきくちさかえさんがREBORNを卒業してOBの立場になられることになりました。きくちさんは著作だけではなく印象の強烈な写真でも知られ、REBORNのイメージでもありました。

きくちさんの「卒業式」ということで、久しぶりにREBORNのメンバーが集まりました。写真は左からブックサービス担当の北山、横浜で母子のためのサロン「Umiのいえ」の女将をしている齊藤、私、きくちさん、お産のお鍋の鍋奉行である三宅、そして漫画やお弁当レシピのブログでおなじみの宮下です。

横浜・中華街で飲茶しました。最近、REBORNはほとんど集まっていないのでみんなの近況は聞いても聞いても聞ききれず。産みつつ活動してきたREBORNですが、子どもたちはみんな大きくなり、うちのように成人していったり、大学生になったりしています。毎年誰かが高校、大学受験です。

そして、きくちさんのおうちでは、先日息子さんがハワイで結婚式を挙げられたそうです。REBORNの第一号です。

この数年、スタッフそれぞれが個人的にあまりにも忙しく、活動のほとんどはメーリングリスト「お産のお鍋」ばかりになってしまっています。でも、ずっとゆるいつながりが保てているのはお産の取り持った縁の不思議でしょうか。

きくちさんが気づいてくれたのですが、なんと来年になるとREBORNは20年目に入る=20周年になるのだそうです。びっくり!! どーしましょう 2011/10/15


イメジェリークラスを再開

ファン助産院のイメジェリークラス。私用で夏から休講させていただいていましたが、今日から隔月で再開しました。

参加してくださる妊婦さんたちが相変わらず大変濃くて充実の一日でした。助産院というところがそうなのですが、おひとりずつがしっかりと自分のお話をしてくださいます。専門職妊婦さんもかなり多く、今日は帰ってから、いらしてくださったフランス人鍼灸師の神岡えれなさん(陽気堂鍼灸院http://www.yokido.com/ 副院長・ご自身のブログに感想を書いてくださいました)、イラストレーター妊婦さんのお仕事サイトを拝見しました。素敵なお仕事ぶりでした。

私の本を読んでくださっている読者妊婦さんもいらしてくださいます。今回は「休講続きで、参加をあきらめかけていました」という声もいただき、申し訳なかったな、と。

ファン助産院の妊婦さんと私は一期一会のことがほとんどです。でも、どこかでふとお会いして、お産の話をお聞きできたらなあ、どんなママになるのかなあと思いつつお別れします。それが本当になることもあります。

ちょっとひさしぶりの助産院では、食に熱心なスタッフの方がますます情熱的になっていて「塩こうじ」など今流行の手作り発酵食品を見せてくれました。とってもいいにおい。みりんやお酒代わりに何にでも入れていいのだそうです。

助産院は、実は少しお産が減っています。受けられる人が限られてきていることと、医療施設でしか出産できないハイリスク妊婦さんが増えていることが背景にあり、この傾向は時代というものでしょう・・・。

でも私は、さまざまな養生を女性が学ぶ拠点としても助産院の重要な役割があると思います。産科学だけでは、産むのは大変過ぎです。これからの助産院の課題は、分娩ももちろん続けてほしいですが、もしそれ以外の業務に軸足を置くことになっても安定した経営が続けられることでは。 2011/10/12


十三夜のドライブ

秋の連休、3回目。夫の郷里の奈良に車で帰郷してきました。

土曜日は、午前は杉並のグループsee mom,be momさんの講座「気軽に妊活 はじめの一歩」でお話。そのあと、企画をしてくれた木野内さんとまもなく1歳になるお子さんとピザのランチをして。

夕方は車の整備に3時間かけ、つるっつるだったタイヤを新しく履き替えたら一安心になりました。

運転手は夫と私と息子と3名。渋滞知らずで走りたいがために夜中の11時に出て夜通し走り、仮眠休憩を入れて約12時間の行程でした。しかもまた夜になったらまたまた夜通し走って帰りました。つまり36時間の1日で、その3分の2が夜でした。

最近の高速は省エネなのか、ホントに暗いですね。東名は明るいけれど、東名が終わるとほとんど外灯がついていなくて、自分のライトだけで照らすような高速か山道かわからない道もあります。

折しも十三夜の月夜でした。手土産を買った和菓子屋さんに書いてあったので知りました。十三夜は、栗やお豆をお供えするらしく、和菓子屋さんとしてはそうしたものを使ったお菓子を売りたかったのかな。

名月の下を走ることができたわけです。十三夜の月は燦然と輝く月とはまったく違う、とろみのある、甘い感じのする月でした。

あまり帰郷ができていなかったのですが、今回たった12時間でも久しぶりに帰って本当によかったです。姑は、息子が「おばあちゃんに」とお小遣いを包んでいったので泣きそうになっていました。義妹一家とも会えて大勢でお好み焼きをして、久々に大家族しました。

私はもう親もいない、きょうだいも1人もいない「高齢出産のひとりっ子・その後」の典型例ですが、夫側は若産みの血統なのですごく賑やかです 2011/10/09


今年もあと3ヶ月

10月になり、今年もいよいよあと3ヶ月になりました。残り3枚になったカレンダーをばらして、3枚壁に貼りました。その3枚を見ていると、もう、つるっと今年が終わっていってしまいそうでこわいです。1日、1日がとっても大切 !! です。

9月は『日経ウーマン』『anan』などのコメントをさせていただきました。また、新潮文庫から出る橋本紡さんという作家さんの小説『もうすぐ』の巻末に入る解説を書きました。

また、不妊治療の学会の取材が大収穫でしたし、月末にはマタニティヨーガの新しい企画が始まりました。来年から始まる新サイトについてのお話もあったり、次の春に向けての準備も始まるこの季節ですが、まずは、悔いなく今年の課題をなし終えたいです。

産婦人科への母娘受診は、検査結果が出て、ふたりとも異常なしということでホッとして一緒に参鶏湯ランチをしました。

先週は思えばすごいものばかり食べていました。夫が、先週末にフグをたくさん釣ってきました。当日のふぐちり。翌日のふぐ雑炊。その次の日は、天ぷら。そして4日目にオリーブオイルとにんにくでソテーし、色とりどりの野菜と共に蒸し焼きにして地中海風にしました。フグばかり一週間食べるなんてことはもう生涯にないことでしょう。ないことを祈りたいです。

次女のガーダシル(頸がんワクチン)接種も一回目終了。彼女はただいま修学旅行中。それで、家が大変静かです。 2011/10/03


連休最終日のティールームで

中学生の娘がまもなく修学旅行なので旅館で過ごす部屋着を買ってあげることにして、模試帰りに大きな町のティールームで待ち合わせをする。

30分ほど待っている間、満席のお客さんを眺めて過ごしました。親子連れのほとんどが、ママが高齢出産のような気がしました。そう見えてしまっただけでしょうか。

でも、1人あたりの単価が高めのティールームだったのでありがちなことかもしれません。ママはもちろん、パパもお洒落で、子どもたちも年の頃は年中さんか年長さんくらいだけどファッション誌から抜け出してきたよう。家族みんなで、スイーツを食べています。

そして遅れて来たうちの娘は・・・。入口に来ているのに、携帯にかけてきました。「ママ、出て来て。入りにくいよう」・・・と。何とか入らせましたが、メニューを見ると「何も要らない」と言います。「こんな高いよ」と言います。

結局は娘も「おいしい〜」と言ってお菓子を食べていましたけれど。

ティーポットにお茶がたくさん入っていました。それを彼女は、もうおなかがぼがぼなのに、「もったいない!絶対残さない」と最後まで飲み干しました。

彼女も一応高齢出産の子なのですが。上の子2人育ててすっからかんの夫婦の高齢出産だったので、まあ、こんなもんです。 2011/09/25


台風が通り過ぎる

台風の日に生まれて、名前も「嵐(らん)→蘭」という発想により命名されたためか、私は台風がきらいではありません。被害に遭われた方には申し訳ない不謹慎な発言ですが・・・

台風の通過した日、一日家にいることができる日だった私は、窓から外を見ていたいのに、娘に「危ないから閉めて」と言われて泣く泣く雨戸を閉め、しかし娘の来ない部屋に行ってこっそりと荒れ狂う風や雨、しなる木々や舞い散る葉、飛び散っていくサルスベリの花などを見ていました。

風の又三郎の擬態語も思い出してしまった、不思議な風の音が空で鳴っているのも聞いていました。滅多に聞くことができない、自然界の音です。

風が止んだので窓を開けてみると、千々に乱れ飛んだ緑たちの精気が大気中にいっぱい。壮大な規模のアロマセラピーです。

あとからわかりましたが、近所に何本か倒木もありました。倒れた木を見ると、驚くほど根がありません。倒れたときにちぎれたのでしょうが、あるいは、地表部分からはわからなくても見えないところで根をあまり張れていなかったものがそうなって倒れたのでしょうか。 2011/09/22